- 仕事で周りよりも早く成長したい…
- 成長力がある人ってどんな共通点があるんだろう
- 共通点を理解してスピーディーに成長したい
20代前半の私は、常にこんな悩みや疑問を抱えながら仕事をしてきました。
あれから約10年。大学院(MBA)に入学し、Amazonやリクルート、トヨタ、総合商社、起業家などの優れたビジネスパーソンと共に学び、仕事で活躍する人が共通して持つ「成長のメソッド」を学んできました。
この記事では、私の経験や学びに基づき、以下について解説します。
- 仕事で成長する人の共通点
- 仕事で成長する人の習慣
この記事を読むと、周りに差を付けてグッと成長している人の共通点を理解することができ、明日からの成長がこれまでと違う角度に変化します!
ととのえ
キャリアコーチング、メディア運営、人事コンサルタントとして3つの事業を立ち上げて運営する起業家兼複業家。MBA(経営学修士)取得。
仕事で成長する人の共通点(特徴・習慣・考え方)
先に結論からお伝えします。
仕事で圧倒的に成長する方法は次の2つの考え方を理解し実践することです。
- グロースマインドセット
成長力の高い人が持っている「基本的な物事に対する考え方」 - 経験学習モデル
成長力の高い人が実践している「経験を血肉に変えるための方法論」
私は、ベンチャーで教育事業の立ち上げや、育成プログラムの開発を行っていますが、「成長」に必要な要素が何かをとことん勉強してきました。
そこで行き着いたものが、『 成長力 = マインド × 方法論 』の公式です。
具体例で説明します。
スポーツで例えると、そもそも「強くなりたい」とか「勝ちたい」という気持ちがなければ成長できないですよね。これがマインドセットです。
でも、強い気持ちを持つだけでがむしゃらに練習やトレーニングをやって成長できるかというとそうではないですよね。正しい練習やトレーニングの方法論が必要です。
「マインド」と「方法論」の両面があって、はじめて高い成長力を身に付けたということになります。
それぞれ次のような位置づけです。
- マインド・・・グロースドマインドセット
- 方法論・・・経験学習モデル
それでは、ここからそれぞれの詳細の解説をします。
仕事で成長する人の考え方「グロースマインドセット」
グロースマインドセットは、スタンフォード大学心理学教授のキャロル・ドゥエック氏が提唱した考え方です。
<キャロル・ドゥエック氏>
米国のイエール大学で博士号を習得。コロンビア大学、ハーバード大学など米国トップクラスのアイビーリーグの大学等で教鞭をとり、現在はスタンフォード大学の教授。
彼女が行なってきた数十年の研究内容をまとめた(マインドセット「やればできる!」の研究)は世界的なベストセラー。
マイクロソフトでは、社員の育成において非常に重要な考え方だと捉えていて、社内研修で取り入れるなど、会社全体でグロースマインドセットの取り組みを行っています。
成長を大きく左右する2つのマインドセット
成長力の高いグロースマインドセットを持った人は、「能力は努力によって変えられる」という考え方を持っています。
一方で、成長力の低いフィックスドマインドセットを持った人は、「能力は生まれつきで変えられない」という考え方を持っています。
例えば、スポーツの試合で負けた時に、「試合で負けたことは実力が足りないだけで、足りない部分を改善すればいいだけ」と考えることができるのが、グロースマインドセットです。
一方、負けた時に「自分はどうせ才能がないんだ」と失格の烙印を押してしまう人はフィックスドマインドセットです。目の前の課題を失敗ととらえてしまうタイプです。
さらにもう少し詳しく違いを見ると、グロースマインドセットの人とフィックスドマインドセットの人の違いは次ような違いがあります。
グロースマインドセットを育む方法
グロースマインドセットを育む方法として最も効果的なことは、「自分を褒めること」です。
ネガティブな状態であればあるほど、「自分なんて…」というフィックスドマインドセットに陥りやすくなります。
自分を褒めることがとても大事です。
毎日、一日の終わりにどんな小さなことでも良いので「今日できたこと」「頑張ったこと」を書き出して、自分自身に「ナイスガンバ!」と言ってあげましょう。
特に結果ではなく過程を褒めることが大切です。結果が出なかったとしても、頑張った過程を褒めることで、グロースマインドセットが育まれます。
グロースマインドセットについて、しっかり理解するには、こちらの本がおすすめです。
仕事で成長する人の習慣「経験学習モデル」
次に、成長力の高い人が実践している経験を血肉に変えるための方法論である「経験学習モデル」についてです。
人が成長するために一番重要と言われているのは「経験」です。
アメリカで最も注目されるリーダーシップ育成機関であるロミンガー社の調査によると、以下のように言われています。
その結果、7割が業務経験、2割が薫陶、1割は研修であることが判明し、これをロミンガーの法則と名付けたのです。
https://schoo.jp/biz/column/1234
この成長にとって最も重要な要素である「経験」を血肉に変える方法論が経験学習モデルです。
経験学習モデルの4つのプロセス
人が経験を通して学ぶためのプロセスは「経験」「省察」「概念化」「実践」です。
この4つのプロセスを段階的に踏みながら、それをサイクルとして繰り返すことで、ただ単に経験を重ねるだけでは得られない学習効果を得て成長するとされています。
①具体的経験
物事を想像や知識だけに頼らず、自分の目で見て、直接聞くことが経験です。
「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、自分で経験したことは机の上で学んだことと比べて、その情報量が雲泥の差です。
特に、自分が想定していなかった事態やトラブルなどの経験は、机の上では絶対に学ぶことができません。
成長できない人のパターン
経験していないのに、分かったつもりになって机上の理論を展開する。
②内省的省察
内省とは、「経験をさまざまな観点から振り返ること」です。
結果と過程の両面について、そうなった・そうした理由や背景について、考えます。
成長できない人のパターン
仕事が忙しいなどの理由によって、振り返る時間を設けない。
特に上手くいかなかった経験の場合、その出来事を投げ出して、目を向けようとしない。
毎回同じ行動(失敗)を繰り返す。
③抽象的概念化
自分の経験から省察した内容を、他の場面でも使えるように持論化することです。
成長できない人のパターン
ふりかえりは行うものの持論化ができていないため、他の出来事への応用が利かない。
④積極的実践
概念化した「理論」は、まだ仮説であり、実践して検証、ブラッシュアップをすることが重要です。
成長できない人のパターン
持論化したところで満足してしまい、新しい理論が実践されないことで、実際に使えない中途半端な理論となる。
「失敗メモ」が成長を加速させた
私は、20代の頃に「失敗メモ」というものをつけていました。
その日に起きた「失敗」や「もっとこうしておけばよかったなと思うこと」に対して「今後すべきことを」を必ずメモに書くようにしていました。
どんなに能力が高い人でも、一日の出来事の中で失敗や後悔がない人はまずいないと思います。
高い理想があれば現実とのギャップが必ずあります。
一日の出来事はただ何気なく過ごすだけだと、本当に薄っすらとしか自分の血肉にならないんですよね。
一日の出来事を、成長の養分として100%吸収すること、これが、私にとっての「失敗メモ」でした。
ちなみに、SHOWROOMの前田裕二さんも、原体験をふりかえって持論化することを習慣にされています。
前田さんの著書「メモの魔力」で、独自のふりかえりノウハウを紹介しています。このふりかえりのノウハウはかなり効果的だと思います。
2019年最も売れたビジネス書ですが、まだ読まれてない方は必読です。
プロフィール
前田祐二 / Yuji MaedaSHOWROOM株式会社代表取締役社長。1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入行。11年からニューヨークでエクイティセールス業務に従事。13年、DeNAに入社。仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げる。15年に当該事業をスピンオフ、SHOWROOM株式会社を設立。
最後に:「成長力」はビジネスパーソンの必須スキル
この記事では、成長するための2つの重要な要素を解説しました。
- グロースマインドセット
成長力の高い人が持っている「基本的な物事に対する考え方」 - 経験学習モデル
成長力の高い人が実践している「経験を血肉に変えるための方法論」
私は、この2つの方法を意識・実践し、成長したことで、仕事の成果を出せるようになりましたし、その結果、社内では最年少で昇進することができました。そのおかげで今、とても活き活きと仕事をすることができています。
論理的思考力、プレゼンテーション、交渉力など、ビジネスシーンに必要なスキルはたくさんありますが、どれを取ってもベースとして必要なのは、「成長力」というスキルです。
成長力は全てのビジネスパーソンが身に付けるべき”必須のスキル”だと思いますので、読者の方の成長にお役立てできれば幸いです。
成長力を手にした暁として、最速で昇進するための極意をまとめたこちらの記事もおすすめです。