- 転職活動ってどうやってはじめればいいんだろう。
- 転職で失敗したくないからはじめに全体像と進め方のポイントを知っておきたい。
転職を考え始めたものの、未経験で何をすべきか分からず一歩が出ないなんて悩みをよく聞きます。
この記事では、転職活動の全体像を理解し、成功への道筋を示す5つのステップをわかりやすく解説していきます。
転職活動は決して容易なものではありませんが、一つひとつのステップを丁寧に進めることで成功への道が開けます。
また、転職活動の経験を通じて、自分自身を見つめ直す良い機会でもあります。
この記事を読むと、転職活動で間違いのない一歩を踏み出すことができ、5つのステップ通りに進めていけば転職の成功確率がグッとあがります。
ととのえ
大手企業にて10年以上人事に携わる。採用担当として各転職サービスを運営する企業の裏事情まで含めて採用市場に精通。キャリアコーチとしてこれまでに1,000人以上のキャリア支援に携わる。
転職活動の攻略法
20代で転職をする人の多くは、転職活動をなんとなく進めがちです。
なぜなら、学生時代の就職活動で、企業選び~面接まで一通り経験をしているからです。
でも、学生時代の就活と同じ感覚で、転職活動が上手くいくかというと、はっきり言って上手くいきません。
働いた経験のない学生は、話が抽象的でも、学生時代の取り組みさえ光るものがあれば、ポテンシャルで採用してもらえます。
一方で、社会人経験のある転職応募者が、学生と同じように、中途半端な分析で抽象的な話をしようものなら、どうでしょう。ととのえ
私が採用担当なら、即不合格にします。
ということで、就活時の経験に過信するのではなく、まずは、「転職活動の全体像」と、「各ステップのポイント」をしっかりと理解してから行動していきましょう。
転職活動の全体像(5つのSTEP)
まずは転職活動の全体像を理解しておきましょう。
転職活動は以下の5つのステップから構成されています。
STEP①:事前準備
STEP②:情報収集
STEP③:応募
STEP④:選考試験
STEP⑤:内定・退職・入社準備
この後、各ステップの進め方とポイントを解説していきます。
STEP①:事前準備
事前準備で必要なことは以下3つです。
- 転職目的の整理
- キャリアの棚卸し
- 自己分析
順番に見ていきましょう。
①転職目的の整理
何が理由で転職をしたいのか、いわゆる「転職」の目的を整理して、ブレない軸をつくることが大切です。
転職の目的は、「目指す方向性の明確化」と「現状の物足りなさ・不満の整理」の2つの切り口で考えると整理しやすいです。
目指す方向性の明確化
まずは目指す方向を明確にすることが何より大事です。
目指す方向性は「Do・Be・Have」のフレームワークで整理しましょう。
Do:あなたは何をしたいのか?
(ex.どの会社よりも社員がやりがいをもって働けるような人事制度をつくりたい)
Be:どんな人でありたいのか?
(ex.まだ誰もやったことのないようなことにも失敗を恐れずにどんどんチャレンジし続ける人でありたい)
Have:あなたは何を得たいのか?
(ex.年収1,000万円、家族と触れ合う十分な時間、部活のような仲間、などなど)
理想をしっかりと描きなおしたいという方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
関連記事:【プロコーチが解説】理想の人生の「設計方法」と「実現方法」をステップで詳しく解説
現状の物足りなさ・不満の整理
今の環境で満たされていないことや不満だと感じることを洗い出してみましょう。
代表的な切り口は以下の通りです。
- 会社のビジョンや戦略
- 事業内容や将来性
- 組織風土
- 社員の士気
- 待遇
- 勤務制度
- 評価制度
- 勤務地
- 成長環境
②キャリアの棚卸し
これまでの仕事でどんな経験をして、何ができるようになったのか、またどんな時に喜びや不満を感じるのかを整理しましょう。
具体的には以下の観点で整理します。
- 「職務内容」
- 「実績」
- 「身についたスキル」
- 「得意なこと」
- 「苦手なこと」
- 「やりがい」
- 「不満」
③自己分析
どんな仕事や働き方が向いているのかを考えるにあたって、自分の長所や短所、また資質を理解することが重要です。
おすすめの自己分析ツールは以下4つです。
- コンピテンシー診断
- ストレングスファインダー
- BRIDGE-i
- グッドポイント診断
①コンピテンシー診断
ミイダス社が開発したテストで、「仕事に必要な能力」と「行動・思考特性や適性」が分かる診断ツールです。
無料とは思えないほど詳しいレポートしてくれます。
関連記事:【無料でこれは凄い】ミイダスコンピテンシー診断が最強でした!
②ストレングスファインダー
米国ギャラップ社の開発した才能診断ツールです。
ストレングスファインダーをやったことのない優秀なビジネスマンは見たことがないと言っていいほど、優れています。
Webサイト上で177個の質問に答えることで、34の資質のうち、最も特徴的な5つが分かります。
③BRIDGE-i
リンクアンドモチベーションの子会社、リンク・アイによる自己診断ツールです。
BRIDGE-iは、「ポータブルスキル(業界や業種に関わらず陳腐化しない能力)」と「モチベーションタイプ(個人が働く組織に求めるものや仕事における価値基準・指向性)」を明らかにすることができます。
設問は80問で約10分程度で受検することができます。
④グッドポイント診断
リクルートが膨大なデータやノウハウをもとに開発した本格診断ツールです。
約300問の質問数となりますが、所要時間はわずか20分程度。
「強み」を明らかにすることができます。強みは全部で18種類あり、そのうち結果に合致した5種類を診断。
4つ全て使う必要はありませんが、それぞれを見てピンときたものを複数受けてみましょう。
色んな角度から自分を見つめ直すことで、新たな発見がありますよ。
STEP②:情報収集
2つ目のステップは情報収集です。
情報収集で必要なことは以下2つ。
- 業界動向
- 企業情報・求人情報
こちらも、それぞれ順番に見ていきましょう。
業界動向
企業選びをする前に業界の動向を調べておきましょう。
特に業界の収益構造や先行きは、給料や賞与に大きく影響しますので、業界のトレンドを確認しておきましょう。
業界を調査するにはこの2つがおすすめです。
①業界動向サーチ
130を超える業界の動向が分かります。
各業界の業界規模の推移、現状の課題や業績、今後の見通しや影響を与える経済動向などあらゆる角度から業界を分析していします。
②転職市場予測
今後求人数は増えるのか、転職希望者にとってチャンスが広がるのか、14の業界・職種で予測を確認することができます。
それぞれの「注目の職種」と、それに連動した求人情報も見ることができます。
企業情報・求人情報
企業情報・求人情報は転職サイトや転職エージェントを使って情報を集めていきましょう。
転職サイトで自分で情報を集めてもよいですが、転職エージェントを使ってキャリアアドバイザーから具体的な提案をもらうことをおすすめします。
転職エージェントはかなり多くの種類があるので、自分に合ったものを使いましょう。
リクルートやdodaのように業界や職種関係なく幅広い求人を取り扱う「総合型エージェント」と、各業界や職種に特化した「特化型エージェント」の両方を組み合わせて使うのがおすすめです。ととのえ
2,3社組み合わせて使うことで、希望の求人に出会える可能性が高くなりますよ。
おすすめの転職エージェントは以下からご覧ください。
関連記事:【転職者300人調査】評判の良いおすすめの転職エージェントをランキングで紹介
関連記事:「業種・職種特化」のおすすめ転職エージェント/サイトを厳選紹介
関連記事:地域特化・地方向けのおすすめ転職エージェント/サイトを厳選紹介
STEP③:応募
応募では大きく以下2つの提出が必要です。
- 職務経歴書
- 履歴書
上記をもとに応募するにあたり、2つのポイントを抑えておくことが大事です。
- 求人にマッチした実績を書く
- 転職エージェント経由で応募する
順番に解説します。
①求人にマッチした実績を書く
応募書類の中で一番重要な項目は「自己PR」です。
自己PRは以下の視点を意識して書きましょう。
「応募企業職種で求められる能力」 × 「過去の仕事での経験や実績」
私は採用の仕事をしていて、よく見るイケてない自己PRは、応募企業職種で求められている能力に関係なく、単なる過去の経験や実績のみが書かれているものです。
自己PRで必要なことは、「応募する職種で求められるタスクをあなたが成果に結びつけられる理由と根拠」です。ととのえ
応募企業職種で求められる能力は事前によく分析しておきましょう。
転職エージェント経由で応募する
履歴書や職務経歴書が書けたら応募となりますが、必ず転職エージェント経由で応募してください。
企業に直接応募することももちろん可能ですが、転職エージェントを使った方が書類通過率がかなり高くなります。
なぜなら、企業は転職エージェントに対して求める人物像のすり合わせを事前に行っているため、転職エージェント経由の応募を当然優先させます。
よっぽど輝かしい功績がないと自由応募を優先することはありません。
STEP④:選考試験
選考試験は企業によって異なりますが、多くは以下3つのケースが多いです。
- 適性検査
- 筆記試験
- 面接
適性検査はSPIが最多
中途採用の選考で使われる適性検査は、以下のとおり色んな種類があります。
- SPI
- V-CAT
- Cubic
- SCOA
全ての対策をすることはパワー的に難しいと思うので、最も多くの企業が使っているSPIの対策はしておきましょう。
SPIについては、以下の記事でかなり詳しくまとめられているので、一度目を通してみてください。
関連記事:【他との違いは?】転職者向けのSPI-Gについて解説|例題、対策法、おすすめ問題集も
筆記試験の対策は企業毎に異なる
筆記試験を実施している企業は約7割です。
筆記試験の内容は企業によって異なるのですが、以下のようなパターンがあります。
- 一般常識
- 論文
- 専門知識を問う問題
応募する業種や職種、また会社によって試験内容がかなり異なるので、一律的な対応ができない所が難しいところ。
対策については、転職エージェントのアドバイザーに相談するのが一番なのですが、リクルートエージェントが最も有益な試験情報を持っています。
リクルートエージェントは、利用者数No1だけあって、利用者が受けた選考データが全て累積されています。
なので、各企業の試験情報について最も詳しいというわけです。
リクルートエージェントは選考対策という点において必ず利用しておきたい転職エージェントです。
関連記事:リクルートエージェントの評判は?実際に使って分かった良し悪しを詳しく解説
面接対策
面接の一般的な面接の流れは以下です。
- 自己紹介をしてください
- 転職理由は?
- 志望動機は?
- 活かせる経験・ 実績・スキルは?
- 面接官への逆質問
面接に合格するポイントは、面接官からの質問の意図を的確に理解して回答することが重要です。
自分の実績やスキルを一方的にアピールしたり、転職理由がネガティブなものはNGです。
この辺りについても、どういった回答をするのが良い評価を取るうえで大事なのかを転職エージェントのアドバイザーに相談しましょう。
模擬面接をしてくれたりするので、積極的に活用していくと良いです。
STEP⑤:内定・退職・入社準備
最後のステップです。
以下の観点で解説していきます。
- 条件交渉
- スムーズな退職
- 入社準備
条件交渉
選考を通過するとメールや電話で内定の連絡があります。
この時点では細かな労働条件は伝えられない場合があります。
確認すべき項目は主に以下です。
- 入社後のポジション
- 年収
- 各種手当
- 転勤
- 休日や残業時間
希望を通すための交渉ポイントは以下2点です。
①希望の提示はできるだけ早いタイミングで明確に
こちらが希望年収を伝えずに、先方企業が社内稟議を通してしまうと覆すのが難しいです。
選考前にエージェントにはっきりと伝えておきましょう。
②全てを押し通そうとしない
全てを押し通そうとすると印象が悪くなります。
全部を叶えようとするよりも、優先順位をつけて引くところは引き、譲れない部分は押すといったメリハリを付けた方が最終的に理想に近づきます。
条件を確認したら、承諾連絡をし、入社日を決めましょう。
スムーズな退職
退職日は今の職場の上司との相談になりますが、入社日前日に退職日を設定できるとよいです。
退職日と入社日の間が空くと、自分で国民健康保険や年金に入る手続きが必要となるので注意しましょう。
円満に退職するポイントは3つです。
①就業規則を確認する
退職の何日前までに退職の意思表示を示す必要があるのかを確認しておきましょう。
引継ぎもあるので、余裕をもって退職の2,3か月前に伝えることができるとベターです。
②相談ではなく報告をする
退職することを伝えると多くの場合は引き止めにあいます。
こうした時に迷いがあると感じられると退職できなくなってしまいます。
退職の相談ではなく、退職の報告として決定事項として伝えるようにしましょう。
③業務の引継ぎは抜かりなく
退職までは、一生そこの会社で務めるくらいの責任感を持って働きましょう。
自分がいなくなっても仕事が問題なく進むようにマニュアル作りや関係者への後任の顔合わせなどをしっかりとやっておきましょう。
引継ぎをしっかり行っておくと、退職後も今の会社の仲間との関係性が円満になります。
入社準備
新しい職場でスムーズに仕事が始められるように、新しい仕事に関する知識を身に付けておきましょう。
入社後しばらくは慣れない環境で慌ただしくなるので、住居生活に関することは、事前にしっかりと整えておきましょう。
まとめ
今回は、転職を確実に攻略するために、転職の全体像と具体的なステップを解説しました。
転職サイトや転職エージェントなど、初期登録に少し時間がかかりますが、これらを一気に完了させると、次のステップがスムーズになります。