

こんな悩みを解決する記事をお届けします。
この記事では、「転職活動の全体像」「転職活動の具体的な進め方とポイント」について理解できる内容となっています。
人事の中でも特に採用が得意領域で、応募者と企業の両面から採用活動を熟知。
MBA(経営学修士)取得。
転職活動の攻略法
20代で転職をする人の多くは、転職活動をなんとなく進めがちです。
なぜなら、学生時代の就職活動で、企業選び~面接まで一通り経験をしているからです。
でも、学生時代の就活と同じ感覚で、転職活動が上手くいくかというと、はっきり言って上手くいきません。
働いた経験のない学生は、話が抽象的でも、学生時代の取り組みさえ光るものがあれば、ポテンシャルで採用してもらえます。
一方で、社会人経験のある転職応募者が、学生と同じように、中途半端な分析で抽象的な話をしようものなら、どうでしょう。
ということで、就活時の経験に過信するのではなく、まずは、「転職活動の全体像」と、「各ステップのポイント」をしっかりと理解してから行動していきましょう。
転職活動の全体像
転職活動の全体像です。
転職活動は以下の5つのステップから構成されています。
② 情報収集
③ 応募
④ 試験
⑤ 内定
この後、各ステップの進め方とポイントを解説していきます。
戦略的に転職活動を進めよう
STEP1 事前準備
事前準備で必要なことは以下3つです。
▢ キャリアの棚卸し
▢ 自己分析
転職目的の整理
何が理由で転職をしたいのか、いわゆる「転職」の目的を整理して、ブレない軸をつくることが大切です。
転職の目的は2つの切り口で考えると整理しやすいです。
① 目指す方向性の明確化
目指す方向性は「Do・Be・Have」のフレームワークで整理しましょう。
(ex.どの会社よりも社員がやりがいをもって働けるような人事制度をつくりたい)Be:どんな人でありたいのか?
(ex.まだ誰もやったことのないようなことにも失敗を恐れずにどんどんチャレンジし続ける人でありたい)Have:あなたは何を得たいのか?
(ex.年収1,000万円、家族と触れ合う十分な時間、部活のような仲間、などなど)
② 現状の物足りなさ・不満の整理
今の環境で満たされていないことや不満だと感じることを洗い出してみましょう。
代表的な切り口は以下の通りです。
・事業内容や将来性
・組織風土
・社員の士気
・待遇
・勤務制度
・評価制度
・勤務地
・成長環境
キャリアの棚卸し
これまでの仕事でどんな経験をして、何ができるようになったのか、またどんな時に喜びや不満を感じるのかを整理しましょう。
具体的には以下の観点で整理します。
「実績」
「身についたスキル」
「得意なこと」
「苦手なこと」
「やりがい」
「不満」
自己分析
どんな仕事や働き方が向いているのかを考えるにあたって、自分の長所や短所、また資質を理解することが重要です。
おすすめの自己分析ツールは以下3つです。
② BRIDGE-i
③ グッドポイント診断
①ストレングスファインダー
米国ギャラップ社の開発した才能診断ツールです。
ストレングスファインダーをやったことのない優秀なビジネスマンは見たことがないと言っていいほど、優れています。
Webサイト上で177個の質問に答えることで、34の資質のうち、最も特徴的な5つが分かります。
②BRIDGE-i
リンクアンドモチベーションの子会社、リンク・アイによる自己診断ツールです。
BRIDGE-iは、「ポータブルスキル(業界や業種に関わらず陳腐化しない能力)」と「モチベーションタイプ(個人が働く組織に求めるものや仕事における価値基準・指向性)」を明らかにすることができます。
設問は80問で約10分程度で受検することができます。
③グッドポイント診断
リクルートが膨大なデータやノウハウをもとに開発した本格診断ツールです。
約300問の質問数となりますが、所要時間はわずか20分程度。
「強み」を明らかにすることができます。強みは全部で18種類あり、そのうち結果に合致した5種類を診断。
STEP2 情報収集
情報収集で必要なことは以下3つです。
▢ 企業情報
▢ 求人情報
業界動向
企業選びをする前に業界の動向を調べておきましょう。
特に業界の収益構造や先行きは、給料や賞与に大きく影響しますので、業界のトレンドを確認しておきましょう。
業界を調査するにはこの2つがおすすめです。
②転職市場予測
今後求人数は増えるのか、転職希望者にとってチャンスが広がるのか、14の業界・職種で予測を確認することができます。
それぞれの「注目の職種」と、それに連動した求人情報も見ることができます。
企業情報&求人情報
転職者の6割以上の人は2,3社の転職サイトを利用しています。
多い人では、4社以上利用している人も多くいます。
1社だけでは魅力的な企業や求人に出会える確率が絞られるので、3社がお勧めです。
4社以上だと情報が多くなりすぎて、整理が追いつかなくなります・・・。
≪おすすめの転職サイト≫
STEP3 応募
応募では大きく以下2つの提出が必要です。
▢ 履歴書
自己PRに書くべき経験と実績
応募書類の中で一番重要な項目は「自己PR」です。
自己PRは以下の視点を意識して書きましょう。
私は採用の仕事をしていて、よく見るイケてない自己PRは、応募企業職種で求められている能力に関係なく、単なる過去の経験や実績のみが書かれているものです。
自己PRで必要なことは、「応募する職種で求められるタスクをあなたが成果に結びつけられる理由と根拠」です。
応募企業職種で求められる能力は事前によく分析しておきましょう。
応募は必ず転職エージェント経由
履歴書や職務経歴書が書けたら応募となりますが、必ず転職エージェント経由で応募してください。
企業に直接応募することももちろん可能ですが、転職エージェントを使った方が書類通過率がかなり高くなります。
なぜなら、企業は転職エージェントに対して求める人物像のすり合わせを事前に行っているため、転職エージェント経由の応募を当然優先させます。
よっぽど輝かしい功績がないと自由応募を優先することはありません。
転職サイトで一通り、希望する企業や求人を探し、目星がついてきたら、転職エージェントに登録しましょう。
≪おすすめの転職エージェント≫
- 『doda』
(転職活動のサポートの質が群を抜いて高く、利用者満足度1位)
【公式サイト】https://doda.jp/ - 『リクルートエージェント』
(業界最大手なので、紹介してもらえる求人数が一番多い)
【公式サイト】https://www.r-agent.com/ - 『JACリクルートメント』
(外資系企業を視野に入れているなら間違いなくここ。年収交渉も強く、年収アップを望む場合に必ず役立つ。)
【公式サイト】https://www.jac-recruitment.jp/
STEP4 試験
試験は企業によって異なりますが、多くは以下3つのケースが多いです。
▢ 筆記試験
▢ 面接
一般的な面接の流れは以下です。
▽ 転職理由は?
▽ 志望動機は?
▽ 活かせる経験・ 実績・スキルは?
▽ 面接官への逆質問
面接に合格するポイント
面接官からの質問の意図を的確に理解して回答することが重要です。
自分の実績やスキルを一方的にアピールしたり、転職理由がネガティブなものはNGです。
STEP5 内定
内定のステップでは、以下3つが必要です。
▢ 退職
▢ 入社準備
条件交渉
選考を通過するとメールや電話で内定の連絡があります。
この時点では細かな労働条件は伝えられない場合があります。
確認すべき項目は主に以下です。
・年収
・各種手当
・転勤
・休日や残業時間
希望を通すための交渉ポイントは以下2点です。
ちらが希望年収を伝えずに、先方企業が社内稟議を通してしまうと覆すのが難しいです。
選考前にエージェントにはっきりと伝えておきましょう。
全てを押し通そうとすると印象が悪くなります。
全部を叶えようとするよりも、優先順位をつけて引くところは引き、譲れない部分は押すといったメリハリを付けた方が最終的に理想に近づきます。
条件を確認したら、承諾連絡をし、入社日を決めましょう。
退職
退職日は今の職場の上司との相談になりますが、入社日前日に退職日を設定できるとよいです。
退職日と入社日の間が空くと、自分で国民健康保険や年金に入る手続きが必要となるので注意しましょう。
円満に退職するポイントは3つです。
退職の何日前までに退職の意思表示を示す必要があるのかを確認しておきましょう。
引継ぎもあるので、余裕をもって退職の2,3か月前に伝えることができるとベターです。
必ず引き止められます。こうした時に迷いがあると感じられると退職できなくなってしまいます。
退職までは、一生そこの会社で務めるくらいの責任感を持って働きましょう。
自分がいなくなっても仕事が問題なく進むようにマニュアル作りや関係者への後任の顔合わせなどをしっかりとやっておきましょう。
引継ぎをしっかり行っておくと、退職後も今の会社の仲間との関係性が円満になります。
入社準備
新しい職場でスムーズに仕事が始められるように、新しい仕事に関する知識を身に付けておきましょう。
入社後しばらくは慣れない環境で慌ただしくなるので、住居生活に関することは、事前にしっかりと整えておきましょう。
まとめ
今回は、転職を確実に攻略するために、転職の全体像と具体的なステップを解説しました。
転職サイトや転職エージェントなど、初期登録に少し時間がかかりますが、これらを一気に完了させると、次のステップがスムーズになります。