これまで多くの若手社会人の教育に携わってきましたが、出会った新卒1年目の社員に必ず勧めていることがあります。
それは、「転職活動」です。
周りの同期よりも頭一つ抜き出るために、そして、5年後に市場価値のある人材になるために必要なことです。
- 転職活動!?
- 新卒1年目で!?
- まだ一人前にもなっていないのに!?
と大半の方は思うでしょう。
でも、「転職活動をしている人」と「そうでない人」で5年後にとても大きな差が生まれるんです。10年後にはもう埋めることのできない差が出来上がっています。
注意!
ちなみに、実際に転職はしなくても良いと思っています。大事なことは「転職活動」をすることです。
転職に意味があるのではなく、転職活動に意味があるということです。
騙されたと思ってこの記事を読んでみてください。
この記事を読む3分間で、向こう30年間のキャリアが大きく変わるくらい大事なことを書いています。
- 新卒1年目から転職活動をすべき3つの理由
(転職はしなくてもOK) - 新卒1年目がやるべき転職活動の具体的な流れ
それではさっそく解説していきたいと思います。
ととのえ
大手企業にて10年以上人事に携わる。採用担当として各転職サービスを運営する企業の裏事情まで含めて採用市場に精通。キャリアコーチとしてこれまでに1,000人以上のキャリア支援に携わる。
【後悔談】私が初めて転職サイトに登録したのは入社5年目の時でした…
正直、私は後悔しています…。
初めて転職サイトに登録したのは、社会人になって5年が経過した時でした。
大学時代の同級生と結婚式で再開した時に、周りがみんな転職活動をしていたんです。
- 大学を卒業してからの5年間でどんな仕事を経験したのか
- どんな企業からオファーをもらったのか
- 転職すると年収がどれくらいになるのか
こんな会話を同級生としていたのですが、私はどこか話についていけず、「周りに遅れを取っている」感覚を痛烈に感じました。
みんな、自らキャリアを攻めているのに、自分は受け身で成り行きに身を任せている…。
このままで大丈夫だろうか…漠然とした不安が大きくなります。
敗北感なのか劣等感なのか、心に大きな引っ掛かりを感じたのを今でも鮮明に覚えています。
漠然とした不安の正体
この漠然とした不安を分解してみると、大きく2つのことが考えられます。
- 自分と大学の同級生の成長速度が明らかに違う
- 周りはキャリアを戦略的に考えているのに、自分は成り行きでしかない(将来ヤバいかも)
一つの会社でずっと働くことがあたり前ではない時代。
不確かな環境の中、自らの意思で変化に対応していかなければいけない時代。
そんな時代だからこそ、同級生との差に対して、特に焦りや不安を感じたんです。
少し前置きが長くなりましたが、ここから新卒1年目から転職活動をすべき3つの理由を解説します。
新卒1年目から転職活動をすべき3つの理由(転職はしなくてもOK)
新卒1年目から転職活動をすべき3つの理由は以下です。
- 5年後に市場から求められる人材になりやすい
- 仕事の苦しさが喜びに変わる
- 理想の会社や仕事に巡り合う可能性が高くなる
順番に説明します。
理由①:5年後に市場から求められる人材になりやすい
一つ目の理由は、一言で言うと「市場価値が上がる」ということです。
市場価値を上げるうえでまず大事なことは、次の2つです。
- 自分の市場価値を定量的・定期的に測る
- 市場価値を上げるために必要な仕事の内容や取り組み方を常に考える
転職サイトで市場価値が測れる
例えばミイダスには「市場価値診断」というサービスがあって、自分の市場における年収が分かるんです。
ちなみに無料です。
7万人の転職データから類似した経歴やスキルをもった人へのオファー実績から年収を算定しています。
ちなみに、私の結果は以下のような感じです。
今もらっている年収よりも少し低いので、悔しいですね。
もっと市場価値の高いスキルを戦略的に身に付けなければいけません。
こうして、客観的に自分の価値を測ると過信がなくなります。
大手企業で働いていると、スキルがないのにやたら年収が高い人がたくさんいますからね…。
そんな人は会社が傾いたら終わりです。
ミイダス市場価値診断のリンクを貼っておきます。
ミイダス「市場価値診断」
公式サイトURL:https://miidas.jp/
転職活動をすると仕事への向き合い方が変わる
次に2つ目について解説する前に、市場価値について整理します。
市場価値って何で決まるか分かりますか?
「市場ニーズの大きさ × 希少性」です。
エンジニアで例えてみると、DX推進によって優秀なエンジニアを求める企業が多いですよね。
一方でニーズに対してエンジニアは不足しています。希少ということです。
つまり、エンジニアは市場価値の高い人材というです。
ただ単にコードが書けるだけではなく、プロジェクトのマネジメントができたり経営の知識があると、さらに希少性が上がり市場価値も高くなります。
転職サイトに登録をすると、求人の多い職種や業務経歴が分かってきます。
少なくともそこへのアンテナが高くなります。
市場価値を高めるために、上司に「こういう仕事がしたい」ということが言えるようになるということです。
また、実績を作る意識が高まると仕事への向き合い方も変わってきます。
これが大きな差になってくるんです。
理由②:仕事の苦しさが喜びに変わる
仕事って辛いことや大変なことが多いと思います。
でも転職活動を始めると、その苦しさが喜びに変わります。
なぜなら、困難な局面を乗り越えた経験こそが、市場価値として積み上がっていくからです。
ただ仕事をこなしても市場価値は上がらない
転職において、「○○の仕事を経験しました」と話をしても何も価値を感じてもらえません。
「○○の仕事を経験する中で、○○な問題があり、それを○○な工夫で乗り越えて成果を出しました」というエピソードが必要です。
そうです。仕事って問題解決なんです。
単に仕事をこなしても市場価値は上がりません。問題解決をすることが大事なんです。
目の前に訪れる苦しさを乗り越えれば問題解決エピソードを獲得できる
仕事の中には必ず問題があります。
市場価値を上げる意識がない場合は、「問題=ただの面倒くさいもの」ですよね?
でも、転職活動を通して市場価値を上げることの大事さを理解している人にとっては、「問題=チャンス」となるわけです。
これが、仕事の苦しさが喜びに変わるということです。
理由③:理想の会社や仕事に巡り合う可能性が高くなる
最後3つ目の理由についてです。
理想の仕事選びって、就活のタイミングだけじゃないんですよね。
これから働き続ける限りずっと理想を追求していくことが大事なんです。
転職活動をすると、嫌でも以下の様なことをする必要があります。
- 自己分析
- 仕事の棚卸し
- 理想のキャリアプランのデザイン
- 業界/企業分析
理想の仕事は、白馬の王子様のように突如目の前に現れるものではなく、上記の地道なプロセスを踏んだ先に出会えるものなんです。
なので、社会人1年目から、転職活動をする必要があるんです。
社会人1年目は、理想のキャリアを実現するためのスタート地点なんです。
新卒1年目がやるべき転職活動の具体的な流れ
ここからは、具体的にやるべきことを説明します。
やるべきことは以下です。
- 転職サイトに登録する
- 市場価値の現状を把握する
- 職務経歴を見直す(半年に1回)
詳細を解説します。
①転職サイトに登録する
転職サイトに登録をして、自分の現状の経歴やスキルにおいてどんな企業からオファーがもらえるのかを観測します。
経歴やスキルが積み上がると求人が変化するのでかなり面白いです。
例えば、私の場合は29歳の時に大学院に通ってMBAを取ったんですが、オファーが一気に増えました。
ベンチャーへの出向を経験した後もかなり変化がありました。
転職サイトは、業界最大手のリクナビNEXTに登録しておきましょう。
5万件以上の求人を取り扱っていて、リクナビNEXTだけの独占求人もかなり多いです。
リクナビNEXT(求人数業界No.1)
公式サイトURL:https://next.rikunabi.com/
転職サイトへの登録だけではなく、転職エージェントに話をして、具体的に転職も見据えて活動していきたい場合は、dodaにも登録しておきましょう。
エージェントの手厚さはdodaが一番です。
「強み、弱み」「今できること、これからやりたいこと」などを相談しながらキャリアプランを整理してもらいながら求人を紹介してもらえます。
dodaのキャリアカウンセリングは以下です。
doda(キャリアカウンセリングがどこよりも手厚い)
公式サイトURL:https://doda.jp/
②市場価値の現状を把握する
リクナビNEXTの登録ができたら、ミイダスの「市場価値診断」プログラムを受けて市場価値の定量把握をしましょう。
以下からミイダスのサイトにアクセスします。
「現在の市場価値を調べる」をタップして必要事項を入力していきます。
③職務経歴を見直す(半年に1回)
半年に1回は職務経歴や登録しているスキルを修正しましょう。
ミイダスの市場価値診断も何回も受けることができるので、変化があったら受け直してオファー年収を定点観測していきます。
半年に一度、経歴やスキルを見直すことで、日々の取り組みがこのままでいいのかを客観視することができます。
半年前と何も変わっていないのであれば、以下のアプローチで自ら変化を起こす必要があります。
- 目標を高く設定してチャレンジする
- 違う仕事ができないか上司にかけあってみる
- 資格取得などの自己研鑽をする
- 副業をする
- 転職をする
「客観的に自分を把握する」→「現状への正しい危機感を持つ」→「自ら変化を起こす」
上記が成長をブーストさせるうえで大事なことですからね。
ちなみに、ミイダスに登録するとコンピテンシー診断というものを受けることができます。
これが無料とは思えないレベルでかなり優れているので、自己分析の意味で一回は受けておいた方がいいですよ。
関連記事:【無料でこれは凄い】ミイダスコンピテンシー診断が最強でした!
【最後に】結局は行動が全てという話
この記事では”転職活動をすると5年後に大きな差になる”という話をしてきました。
成長において、結局は「行動」が全てです。
でも、行動するには行動の原動力となる動機が必要です。
転職活動は自分自身の現状を客観的に把握することができるので、良い意味で健全な危機意識を持つことができるようになります。
この健全な危機意識こそが、自分を変えようとする動機の源泉になります。
社会人1年目からこの危機意識があるかないかで大きな違い。
5年後にはとてつもなく大きな差になりますし、10年後には絶対に逆転できない差がそこに生まれます。
ぜひ、今日から転職活動を始めてみてください。
この記事が、より良いキャリアを築くにあたりお役立てできていると幸いです。