【書評・要約】「複業の教科書」|副業戦略の本質が分かる良書です

今回は、書籍複業の教科書のポイントをまとめながら解説したいと思います。

 

本書の中にも記載されていますが、2018年の厚生労働省が示すモデル就業規則が改定され、副業が「禁止」から「可能」となりました。

今では20代~40代の正社員3,000名のうち約88%が「副業に興味あり」と回答をしています。(エン・ジャパン調査)

 

ととのえ

会社員がキャリアを組み立てるにあたり、「副業」という選択があたり前になる時代が目の前まで来ています。

 

一方、副業に取り組む会社員の中で月3万円未満の収入しかない人は78%もいます。

 

そうです。「副業をやりたいけど、稼げない。」というのが、今の会社員の実態なのです。

 

本書では、

  • 副業のステップ
  • 副業のコツ
  • 失敗のパターン
  • 成功に必要な条件

こうした内容を、著者西村創一朗氏の実体験に基づき解説しています。

 

まさに「これから副業をはじめたい」もしくは「副業をはじめているけど今一つ成果に繋がらない」人が、副業の本質的な戦略を理解するうえで非常に役立つ本です。

 

ととのえ

私もこの本は、副業の初心(本質)を見失わないように、常に手元に置いておいて、節目で見返して使っています。

 

 

この本はKindle Unlimitedで0円で読めますので、そちらがおすすめです。

 

 

この記事を書いた人
ととのえ
大手企業に勤めながらもベンチャーで複業をするパラレルワーカー。大手企業では、最年少で管理職に昇進。働きながらMBA(経営学修士)取得。
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「複業の教科書」著者:西村創一朗氏

「複業の教科書」著者:西村創一朗氏
この本の著者は、株式会社HARES代表取締役で複業研究家の西村創一朗氏です。

 

経歴は次の通りです。
  • 大学卒業後、2011年に新卒でリクルートキャリアに入社。
  • 法人営業・新規事業開発・人事採用を歴任。
  • 本業の傍ら2015年に株式会社HARESを創業し、仕事、子育て、社外活動などパラレルキャリアの実践者として活動を続けた後、2017年1月に独立。
  • 独立後は複業研究家・働き方改革の専門家として個人・企業向けにコンサルティングを行う。
  • 2017年9月~2018年3月「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」(経済産業省)委員を務める。
  • NPO法人ファザーリング・ジャパンにて最年少理事を務める。

 

そして、驚いたことは、なんと、西村創一朗さんは大学生の時に高校時代から付き合っていた彼女と結婚し、大学2年生の時にはパパになっているのです。
副業で成功している会社員の多くは、独り身で時間がたっぷりあるケースが多いのですが、3人の子育てと副業を両立しています。

 

ととのえ
副業に対する時間的余裕が十分にない中で、どの様に副業を成功に導いたのかという点からも、複業家のロールモデルとして学びがいのある方です。

 

 

「複業の教科書」の魅力

「複業の教科書」の魅力

本書では、まずはじめに「副業」「複業」の違いについて語られています。

 

副業は、本業を補うためのサブとしての位置づけで、余った時間を有効活用して副収入を得るための仕事です。

 

いわゆる持続や発展を前提としていない「一時的なお小遣い稼ぎ」という意味合いです。

 

一方で、西村創一朗さんがすすめる「複業」は、

『本業だけではできない”やりたいこと”へのチャレンジ』

という定義をしています。

 

 

複業においてお金を稼ぐことは一つの「結果」であり「目的」ではない

価値創造活動全般が複業であり、お金を稼ぐことは「結果」であり「目的」ではないという考えを持っています。

 

また、複数の仕事がそれぞれ独立したものとして捉えるのではなく、それぞれにシナジー効果を生み出すことで相互に発展するという考えが根底にあります。

 

副業をはじめる人は、「お金を稼ぐこと」を第一の目的とする人がほとんどですが、お金を稼ぐことのみに焦点があたりすぎると、やりがいやスキルアップに繋がらず本業も含めたキャリア全体で捉えると充実したものにならないケースが多く見受けられます。

 

そういった意味で、やりがいや成長を重視し、持続的に発展する副業戦略を描くことが大事ですが、こうした副業キャリアを成功に導くための本質を理解できる所が、本書の一番の魅力ではないかと感じています。

 

 

「複業の教科書」要約

「複業の教科書」要約

複業時代の到来

副業方針の大転換

2018年に厚生労働省のモデル就業規則における副業に関する規定が、次の様に変更されました。

旧「許可なく、他社の業務に従事しないこと」

新「勤務時間外に、他社の業務に従事できる」

副業方針が180度大転換されたということです。

 

 

個人と企業の関係が上意下達から対等へ

終身雇用を前提とした雇用契約は終焉を迎えようとしています。

 

こうした前提の中で、副業の方針転換が起きたことで、会社と従業員の関係性が大きく変わろうとしています。

 

これまでは、「会社が上となって個人を管理する」という関係性でしたが、これからは「会社と個人が対等にリソースを提供し合う」関係になるという変化です。

 

ととのえ

2016年のロート製薬の副業解禁を皮切りに、多くの企業が副業の解禁を進めていますが、企業における副業解禁のねらいは、大きく次の3つです。

  1. 優秀な人勢の確保
  2. 従業員のスキルや経験の習得
  3. 好きなことでQoLを高め本業の活力とする

特に、近年の厳しい人材獲得競争の中では、副業を解禁することで、「働き方に柔軟な会社」という強いアドバンテージを獲得できます。

こうした背景から、ここ数年で副業解禁に一気に動き出す企業が増えるので、個人で勝負するための早めの備えが大事です。

 

 

人生を取り戻すための複業

一昔前は、企業は個人が働く時間・場所・内容を制限する代わりに、自社で働く個人に対して「一生安泰」の約束を交わしていました。

 

でも、終身雇用を前提としない雇用形態に変化し、従来の一生安泰という約束が破られる時代に変わりつつあります。

 

こうした状況の中では、好きなことを押し殺して会社に奉仕するという働き方の先に幸せはなく、あらためて会社や仕事との向き合い方を考え直す必要があります。

 

「自分の人生を取り戻す」必要があるということです。

 

複業という選択肢は、自分の人生を取り戻すことに繋がる西村氏は述べています。

 

さらに具体的に深堀りすると、次の『3つのメリット』があります。

  1. 時間をかけて「やりたいこと」の追求ができる
    本業だけではみたされるとは限らない「Will”やりたいこと”」。その経験の主戦場になり得るのが複業。
  2. 「稼ぐ力」を得られる
    本業では得られない「経験」「出会い」、そして人間関係の中で育っていく「信頼」という無形資産を得ることができる。
  3. キャリアチェンジの失敗のリスクを減らせる
    安全地帯の中から、仕事を試す”試食”ならぬ”試職”ができることで、キャリアチェンジのミスマッチを防ぐことができる。

 

 

ととのえ

一昔前は、個人として何かビジネスをはじめようと思ったら、清水の舞台から飛び降りるくらい思い切った気持ちを持って起業する必要がありました。

でも今はYoutubeやTwitterなどのSNSを使って集客ができたり、Crowdworksのようなクラウドソーシングサービスで簡単に仕事を受発注することができます。

私も20代の頃は、企業で働くべきか、個人で起業するべきか、という二律背反の状態で苦しんでいましたが、副業という包含できる選択肢が悩みを解消してくれました

 

 

複業をはじめる3(+1)ステップ

複業をはじめるにあたって、まずはじめに何よりも大事なことは、「”WHY(=なぜやるか)”」を明確にすることです。

 

複業を始める動機と意義付けを明確にしないと、今後の方向性が全てブレたものになってしまうからです。

 

こうした大前提のステップ0を踏まえて、『副業の基本ステップ』は次の3つとなります。

  • ステップ1「見立てる」
    自分の行動特性や強みを棚卸しし、世の中のマーケットトレンドを知り、お金を稼ぐ方法を調べることで、副業を設計するということです。
  • ステップ2「仕立てる」
    ステップ1でつくったイメージを試作版として実際の活動でカタチにしていくということです。
    周囲のニーズを聞き、解決することから始めるのがポイントです。
  • ステップ3「動かす」
    仕立てた複業試作版をどんどん回してブラッシュアップしていくということです。

 

 

ととのえ

副業で大事なことは、何をやるかをよく考えることもそうですが、「自分の人生の理想の状態」から逆算して考えることが大事です。

自分の人生の理想の状態は、次のDo、Be、Haveのフレームワークで考えるのがおすすめです。

  • 「Do(何がしたいのか)」
  • 「Be(どうありたいのか)」
  • 「Have(何がほしいのか)」

 

また、人生に必要なリソーセス(時間&お金)の理想を考えることも大事です。

  • 自由に使える時間がどれくらい欲しいか
  • 理想の生活を手に入れるにはどれだけの収入が必要か

 

▼副業をはじめる時に理解しておいた方が良い戦略の考え方をこちらの記事で解説していますので、合わせてご一読ください。

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複業の5つのコツ

西村創一朗さんが『実際に複業をする中で導き出したコツ』は次の5つです。

  1. 複業は身近で小さな一歩からはじめる
    入念に準備をして大きな覚悟を決めて壮大な一歩を踏み出すのではなく、小さな歩幅で始めるほどに成功確率は高まります。
  2. 「無理なくできること」だけに特化する
    自分発で自分らしい人生を実現するために始めるのが複業であって、苦痛や我慢を伴うものであってはなりません。
  3. 自分のハンディキャップから、できることを考え抜く
    自分ができないことを逆手に取って複業に活かすことが大事です。不利なことを言い訳に並べたらキリがないということです。
  4. 自分の強みを活かして「キャリアタグR」をつくる
    個人の成長戦略において「〇〇といえば西村」というった、キャリアタグRをつくることが大事ということです。
  5. 半径5メートルのニーズを聞く
    特に本業の社内の半径5メートルのニーズがベストです。なぜなら的確なフィードバックをもらえるので、複業をブラッシュアップできるからです。

 

 

ととのえ

副業は限られた時間の中で取り組んでいかなければならないので、入念に準備をしていきなり完璧なものを世に送り出すという発想ではなく、最低限の装備でリリースしてみることが大事ですね。

大事なキーワードは「まずできることからやってみる!」だと思います。

 

私も本業の人事で学んだ教育やコーチングを何かに役立てないかと思い、学生向けにコーチングをやってみたことが複業のきっかけです。

やりながらプログラムをレベルアップさせたり、自分自身のコーチングスキルを高めるために研修に行ったりしましたが、「まずやってみる」を大事にしたことが、スピーディーなレベルアップに繋がりました。

 

 

複業失敗の3パターン

副業に取り組む際には、よくある”失敗”について、典型的なパターンとその予防策について理解しておくことが大切です。

  1. 「簡単にお金稼げます詐欺」に引っかかってしまう。
    「ラクして稼ごう」と覆った時点で、悪意ある人たちから足元を見られてしまう。こういった危機感を持って臨む必要があります。
  2. 「あいつは副業やってるから」と後ろ指をさされてしまう
    副業に取り組める環境を与えてもらっていることへの感謝を、会社の上司や同僚に日頃から伝えておく心がけが大切です。
  3. 「とにかく頑張る!」オーバーワークで生活が破錠してしまう
    自分なりのルールで「本業・副業すべて含めての労働時間の上限」を決めておくことが重要です。

 

 

ととのえ

会社から後ろ指をさされてしまうと、副業がやりにくくなるだけでなく、本業にも悪影響が出てきます。

逆に、副業で得た知識や経験を本業に活かすことができると、会社からも副業を応援してもらいやすくなります。

副業は常に複数の仕事間でシナジーを発揮させるという視点を持つことが大事ですね。

 

また、副業をはじめる際には、税金の知識を事前にしっかりと理解しておくことも大切です。

私は事前にしっかりと調べておかなかったために、初年度の確定申告の時にかなり慌てて対応した苦い思い出があります。

 

▼副業に関する税金の知識を一つの記事にまとめていますので、よければご一読ください。

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▼「会社で副業が認められていないけど副業をやりたい」と考えている方は、こちらの記事が役立ちます。

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複業を成功させる五カ条

西村創一朗さんが累計500人以上の複業支援をする中で気づいた「複業が上手くいっている人の共通要素」から抽出した、成功の五カ条です。

一.先義後利
目先の儲けに走らず、貯信せよ

二.本業専念
本業で成果を出すことにこだわれ

三.公明正大
〝伏業〟にするな。周囲に共有せよ

四.自己管理
睡眠時間を削ってはいけない

五.他者配慮
家族や上司、同僚への感謝とリスペクトを忘れるな

 

 

ととのえ

私がこれまでに出会った副業をしている会社員には、上記全てを見失った人がある一定存在します。

感覚的には2割弱くらいは、「本業を疎かにし、ひっそりと、睡眠時間を削り、他者への配慮や感謝をすることなく、目先の利益を追い求める」人がいると思います。

西村創一朗さんが重ねて主張するように、「目先の小遣い稼ぎ」を追求すると、この五カ条とは真逆の状態になっていってしまいます。

お金を稼ぐことは重要ですが、それだけではないということを肝に銘じておくことが大事です。

 

 

最後に:正しい副業戦略とは

最後に:正しい副業戦略とは
副業の戦略を考えるにあたり、副業を「稼ぎを賄う手段の一つ」と捉えるのではなく、「人生をより楽しく充実したものにするための一つ」として捉えることがとても大事です。
稼ぎを賄う手段だけで捉えると、どうしてもコスパよく稼ぐことに意識が向いてしまい、持続的な発展は望めません。

 

人生をより楽しく充実したものにするための一つとして捉えると、副業には次のような要素が大切になってきます。
  • 「やりたいことや充実感を味わえること」
  • 「得意なことや培ってきたスキルを活かせること」
  • 「自分にとって中途半端にならないこと」
こういった要素が副業戦略に織り込まれているかを、ぜひ一度立ち止まって見直してみてください。

 

副業には、今回西村創一朗さんが紹介したような注意すべき落とし穴も、いくつかあることは事実です。
でも私は副業をすることで、スキルアップやキャリアアップに繋がりましたし、やりたいことをやるという意味で人生が豊かになりました。

 

 

今回の記事は以上です。

この記事が、副業をより良くするうえでお役立てできていれば幸いです。
この本以外にも、副業に役立つ本をまとめて紹介していますので、ぜひこちらの記事もご覧ください。
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