VUCA(ブーカ)という言葉をご存じですか?
このVUCA時代では、「これまで上手くいくとされてきたアプローチ」や「これまで必要と言われてきたスキル」が全く通用しなくなってきています。
そういった意味で、『VUCA時代に起きている変化』や『VUCA時代に求められるスキル』について、正しく理解していないと、これからの時代を生き抜くことはできません。
なので、この記事では、以下について解説していきたいと思います。
- VUCA時代とは何か?
- VUCA時代に必要な5つのスキル
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VUCA時代とは何か?
V:Volatility(変動性)
テクノロジーの驚異的な進化に伴って、新しい事業が次々と生まれ、市場環境が大きく変化しています。
例えば、スマートフォンの普及率の変遷を総務省のデータで見ると、2010年には、わずか9.7%しか使われていませんでしたが、この10年で一気に93%まで普及しました。
これによって、InstagramやTik Tokなどのソーシャルメディアやソーシャルゲーム、イヤホンやスピーカーなどの周辺機器の市場が一気に広がっています。
技術革新のスピードが上がるにつれ、社会が豊かになりますが、商品やビジネスのライフサイクルが速まり、一度成功してもそれを維持することが非常に難しくなってきています。
U:Uncertainty(不確実性)
世界で起こる政治的な変化や災害等の影響が、ビジネスにも大きく関わってきています。
2016年には、イギリスはEUに残留するだろうという経済アナリストの予想を反して、EU離脱が国民投票で可決されました。
また、アメリカ大統領選挙では、トランプは大統領になれないという見立てをする専門家が多くいる中、トランプ大統領が誕生し、これまでのグローバリズムから米国第一に大きく舵が取られました。
コロナウイルスによって在宅勤務を軸とするワークスタイルの変化も誰も予想していなかったことの一つです。
C:Complexity(複雑性)
グローバル化により、複数の国や地域、企業などが関わることで、ビジネスが複雑になってきています。
そして、この様々な要素が複雑に絡み合う状況は事業展開を難しくしています。
これは、各国の法律や文化習慣など、様々な要素が絡み合いビジネスを複雑なものにしているケースの一つです。
A:Ambiguity(曖昧性)
これまでの前提が通用しなくなっているが故に、物事の因果関係が不明慮なことが多くなってきています。
ただ、どこで、何がきっかけで、何が生まれ、どう社会に影響するかは、非常に予測することが困難です。
こうした曖昧な状況の中、手探りでビジネスを進めなければいけないシーンが非常に増えてきています。
VUCA時代に必要な5つのスキル
VUCA時代に生き残るための5つの力は次の通りです。
- 過去の成功体験を捨てる
- 未知の領域に対する学習
- 仮説思考
- まずやってみる
- テクノロジーリテラシー
この5つについて、詳細を解説します。
過去の成功体験を捨てる
まず第一に最も大事なことは、過去の成功体験を捨てることです。
変化が激しい時代を生き抜くために最も大事なことは、「自分自身が環境に適合するために変化すること」です。
「自分自身の変化」を一番阻害する要因は、「過去の成功体験」です。
人は誰しも自分自身を肯定する特徴があります。
医者が自分の子供に医者を勧めるのも近い心理が働いていると思います。
しかし、自分が過去に成功した時から常に前提が変わっているため、過去の勝ちパターンに固執すると、新しい前提の下では勝つことが難しくなります。
私が過去の成功体験を捨てるためにおすすめするのは、「全く新しいフィールド」に出てみることです。
最近は SNSに取り組んでいますが、自分よりも年が10歳以上も若い人が、私よりも巧みにSNSを使ってフォロワーをガンガン増やしていっています。
こうした状況を経験すると、これまでの自分じゃダメだ。
何か変えなきゃと思えるんです。
未知の領域に対する学習
人生100年時代と言われるなか、これまで得た知識やスキルで向こう数十年を生き残るのは極めて難しいです。
逆にロボットの市場は2015年は約1兆円の市場規模でしたが、2035年には10兆円規模になります。
これだけ、業界や事業構造の変化が起きようとしているのですから、当然私たちが求められる仕事のスキルも大きく変わってきます。
こうした環境の中では、年齢に関係なく、これまでの自分にとって未知の領域に足を踏み入れて学びをアップデートすることが非常に重要になってきます。
最近は「Udemy」や「グロービス学び放題」といったオンライン学習ができるインフラが、一気に整ってきているので、自分にとって未知の領域(特にデジタルテクノロジー)の学びに自己投資する人とそうでない人との間でこれまで以上に差が付く時代になります。
こういった学習プラットフォームを日常的に使える人とそうでない人で差がどんどん差が付く時代です。
こちらの記事で令和時代の賢い学び方をまとめていますので、合わせてご覧ください。
この記事で解決できる疑問! オンラインで勉強をはじめたいけど、どの学習サービスを使えばいいんだろう? オンラインで資格が取れるサービスってあるのかな? ととのえ[…]
仮説思考
これまでのビジネスシーンにおいては、過去の成功パターンを学び、それさえやっておけばある程度数字が伸びる時代がありました。
でも今は時代の変化が速く、これまでの前提が全く通用せず、これといった正解がありません。
なので、「おそらくこうかな」という仮説を素早く立てて考える思考法が非常に重要になってきます。
例えば、個人で稼ぐ時代においてTwitterやInstagramがブランディングや情報発信の大事なツールになってきていますが、より多くの人の目に届く方法やより多くの人に響く内容に正解はありません。
こうしたなか、状況を観察し、そこから考えられる仮説を素早く立ててアクションする力が非常に重要になります。
まずやってみる
「副業を始めたい」という相談をもらうけど、真剣に相談にのったところで結局何もやらない人が多いね。本業でもそうだけど、人に聞く前に行動した方が学びや気付きを多く得られるから「まずやってみる」のが大事。相談して満足せず、実際に行動することが本業でも副業でも生涯年収の最大化に繋がるよ。
— moto / 転職と副業のかけ算 (@moto_recruit) October 17, 2019
副業と転職で年収1億円を超える、これからの生き方働き方のフロントランナーを行くmotoさん(戸塚俊介さん)のツイートです。
過去の誰かの成功事例と前提条件が変わらなければ、その時の成功要因を分析し実行すれば上手くいきます。
でも、現代は、誰も正解を知らない未知な領域がどんどん広がっているので、過去の成功法則が役に立つとは限りません。
何か、自分の中でピンとくる良いアイデアをひらめいたら、小さくても良いのでトライアンドエラーで”まずやってみる”。
やってみて、得られた経験をよく観察し、次の一手を素早く考える。
こうしたアプローチをベースにすることが非常に重要です。
ちなみにこれからの時代の働き方を考えるうえで、motoさんの書籍は必読です。
テクノロジーリテラシー
AI、IoT、VR、ARなど様々なテクノロジーが一気に進化しています。
こうした転換期では、テクノロジーを自分事として捉えて、リテラシーを高めることが重要です。
具体的には、次のような点がリテラシーを高めるうえで必要です。
- ネットやSNSでの情報発信と収集
- プログラミングやセキュリティーなどを含めたコンピュータースキル
- 最先端テクノロジーへの理解
- 最新サービスやアプリなどのトレンドの収集と活用
これはデジタルに関するリテラシーが高い人とそうでない人の間で生まれる情報の量・質に関する格差のことです。
ITリテラシーが低いと、IT機器やサービスの利用ができないために、有益な情報をキャッチできず、ビジネスや生活において大きな後れを取るということです。
まとめ:「VUCA=正解なき時代」の生き方
今回の記事では、VUCA時代を生き抜くための5つのスキルを解説しました。
- 過去の成功体験を捨てる
- 未知の領域に対する学習
- 仮説思考
- まずやってみる
- テクノロジーリテラシー
この記事が新しい時代を生き抜くためのヒントとなれば幸いです。