会社員をしながらカメラを副業にし、最高月収100万円を稼いだ複業フォトグラファーSONOさんにインタビューしました。
「カメラを仕事にしたい!」「フォトグラファーとして副業をしたい!」と思っている方にとって、役立つ記事です。
- カメラで副業した場合の生活スケジュールとは?
- カメラの副業は稼げるのか?
- どうやって仕事を見つけるのか?
この記事を読むと、「カメラを副業にする方法」をイメージできるようになります。
SONO
複業家(フォトグラファー/気象予報士/全国通訳案内士)
1991年生まれ。気象予報士・Webデザイナーとして会社に勤めながら、全国通訳案内士・フォトグラファーとして活動。国内外の企業と契約を結びインバウンド観光に特化した広告写真やバケーションフォトを撮影。最高月収100万円。SNSの総フォロワー数は約5万人。Twitter / Instagram / note / Youtube
SONOさんのプロフィール

撮影:SONO

はじめまして、SONOと申します!よろしくお願いします。



SONOさんよろしくお願いします!
今回は踏み込んだ質問もしていきたいと思いますのでよろしくお願いします!笑
簡単にSONOさんのお仕事について教えてください。



本業の会社員は、気象予報士・デザイナーとして週5日の勤務をしていて、副業で土日や有休を使ってフォトグラファーとして海外企業や国内観光系企業と仕事をしてます。
過去にadidas、GUCCI、NewYorkTimes、日本政府観光局、東京カメラ部などに写真の提供などをしたことがあります。



クライアントが凄すぎです!どうやって契約に結び付けたのかめちゃくちゃ気になりますが、それは後ほどがっつり聞かせてください・・・。
プロフェッショナルとして複業のキャリアを歩まれていますね。



かつてはインバウンド領域で波に乗れたのですが、コロナ禍で売り上げが一時的に95%減少しました笑
そのあたりの浮き沈みなど踏まえてお伝えできればと思います。
カメラで副業をはじめたきっかけ


撮影:SONO



SONOさんがカメラで副業をはじめたきっかけを教えてもらえますか?



実は、会社員になる前、大学を休学してフリーランスとしてカメラマンにチャレンジしたことがあったんです。
でもその頃の単価は1時間5千円~1万円。月収は最高で30万円ほど。
低価格で大量の仕事を受けていたので、デジタル現像やレタッチ作業に追われ、不眠症で体と心を壊したことがありました。
そこで、フリーランスの道を一度あきらめて会社員になろうって思ったんです。



今の成功の裏側には、挫折があったんですね。



そうなんです。でも「好きなことを仕事にしていきたい!」っていう気持ちは変わらなかったんです。
だから、大量の書籍を読み漁りフォトグラファーとしてのビジネス戦略を練りに練り込みました。
カメラマンとしての複業戦略


画像:SONO



複業の戦略で大事にしているポイントはどんな所ですか?



特に次の3つですね。
- レッドオーシャンの日本人撮影市場から撤退し、高単価で成長性の高いインバウンド観光の市場に参入すること
- 「気象予報士」×「全国通訳案内士」×「カメラ」というスキルのかけ算で競争優位性をつくること
- ライフスタイルを発信することで、暮らし方や価値観を含めてブランディングすること



具体的には、海外企業の広告やPR撮影・富裕層の撮影に軸足を移しました。
写真撮影だけではなく、気象予報士として天気、桜、紅葉を予測してルートを最適化したり、文化や歴史、お土産屋、旅程管理などの付加価値をつけることで参入障壁を設けて単価をあげる戦略をとりました。



なるほど。新しい時代の中でビジネスで成功するポイントをしっかりと押さえられてますね。
しかも、本業の気象予報士のスキルを副業のカメラで活かすところ、さすがです!
複業をしていても一つひとつの仕事が分断するケースってよくあるんですけど、スキルや経験がそれぞれの仕事でかけ算できると強いんですよね。
フォトグラファーとしての収入は?



踏み込んだ質問で恐縮なんですけど、今の収入を聞いてもいいですか?



・・・ストレートですね。笑
本業の会社員としての収入が年500万円ほど、副業の収入は波がありますがここ数年は400〜500万円ほどです。
ただし、コロナ禍以降はインバウンドからの収益が0になったため、国内の広告やPR撮影・夫婦で営んでいるシェアハウス事業に軸足を移しています。



おー、土日と有休の稼働だけで、400〜500万円とはすごいです。
コロナ禍以降は軸足を移して方向転換されたんですね。



はい、2020年4月にインバウンド観光の市場が事実上消滅したので2度目の挫折をしました笑。
当時は旅先のロケーションでの撮影をしたいクライアントに、高い価値提供ができている自信があったので、繁忙期で1時間の撮影で400USD(約44,000円)いただくことができていました。



市場選定と優位性構築の戦略が上手く効いてますね!
複業家としての1日のスケジュール



でも会社員やりながらって、時間のやりくりが大変だと思うんですよね。
どんなスケジュールで活動されてるんですか?



コロナ禍以前と以降で大きくライフスタイルが変わったので、それぞれまとめると以下のようになります。
よくある平日のスケジュール





平日は本業でがっつり働いた後に、写真編集やnote・ブログの執筆をしているので、結構くたくたな毎日です。
最近はテレワークが導入されたのでだいぶ働きやすくなりましたが、本業のパフォーマンスを落とさないようにすることも複業家として大事なことだと思ってます。
よくある土日のスケジュール(カメラ:インバウンド春秋の繁忙期ver)





インバウンドの春秋は、カメラの仕事にどっぷりです。
1日で5本の撮影をして、帰宅してから編集。
正直ヘトヘトですけど、でも充実感もたっぷりです!
よくある土日のスケジュール(二拠点田舎暮らしver)





現在はテレワークも可能になり、場所に依存せず働けるようになったので、東京↔京都↔香川を撮影で行き来しています。
正直、完全にオフの日は1年を通してほとんどないんですけど、この仕事が楽しいですし、こころの栄養になっています。



「遊び」と「仕事」がシームレスにつながっている感じですね!素敵です!
「副業禁止の会社で副業を認めさせる」それがSONO流



副業始めた時、会社が副業禁止だったってホントですか?



そうなんです。
副業が認められていなかったんです…。



どうやって副業始めたんですか?



役員を説得して認めてもらいました。笑



え!?どうやって?笑



本業に支障をきたさないことはもちろん、会社にとってメリットがあることを説明し、誓約書を作ったんです。
見方になってくれる上司を見つけて、うまく交渉をすることで、会社として副業第一号を認めてもらいました。



私の本業が人事なので、人事の立場から話すと、会社って実は副業を合理的な理由なく禁止にできないんですよね。
憲法で職業選択の自由が保障されてますから。
でも権利主張だけされると、上司や人事に煙たがられてしまうんですよね。



そうですよね、私もそう思います。
大切なことは、許可してもらった後の感謝の気持ちと会社に対してどういったメリットがあるか説明をすることだと思っています。
なので、会社の仕事に対しては120%で取り組みますし、フォトグラファーの事業で得た知見を会社にフィードバックすることは常に考えています。



素晴らしすぎます。
これぞ、複業家として最も大事なマインドかもしれませんね。
全ての仕事を大切にし、そして全ての仕事に対してプロ意識でしっかりと向き合う。



自由には必ず責任がセットで付くものだと思っています。
フォトグラファーとして稼ぐ方法


撮影:SONO



ここからは、フォトグラファーの稼ぎ方について、一歩踏み込んでいきたいと思います!
SONO流、仕事の見つけ方



個人で稼ごうと思った時に直面するのが、仕事の見つけ方だと思います。
海外のインバウンド観光の仕事ってどうやって見つけてくるんですか?



私の場合は大きく分けて3通りあります。
- 契約している海外のフォトエージェント経由
- Instagram経由
- 自身のWebサイト経由



SNSの育成やWebサイトのSEOと並行しながら、エージェント経由で口コミ的に仕事を増やしていくのがおすすめですね。



カメラを副業にしようと思った時に、何から始めるのが良いですか?



撮影するジャンルにもよるのですが、例えば副業で家族写真やカップル写真などをメインにしたい人は、Ourphotoなどのマッチングサイトに登録してみるのがおすすめです。
カメラについては中古や型落ち機種でも問題ないので、基本的なカメラやマナーの書籍を数冊読んで一通り頭に入れたら、最初は友達や知り合いなどお試し撮影からはじめてもいいかもしれませんね。
特にお客さんとの連絡や実際の声かけなどのコミュニケーションについては、実際に仕事をしてみないとわからない部分も多いので、失礼にならないように気をつけつつ、経験を積み重ねていく必要があります。
「海外でも負けない」カメラスキルの磨き方



SONOさんの写真をはじめて見た時、時が一瞬止まったんですよね。
写真の中の世界に飛び込んだような感じになったんです。
≫SONO(Instagram)
写真のクオリティを上げるために、カメラスキルを日々どうやって磨いているんです?



よい写真を見ることはもちろんですが、絵画や浮世絵など昔から広く愛されている芸術全般を見るようにしています。
あとは日常生活していくなかで、美しい光や風景、決定的な瞬間などにアンテナをはるのがとても大切だと感じます。
SONOさんの副業を支える相棒達


撮影:SONO



SONOさんが使っているカメラ機材や複業に必要不可欠なツールを教えてください!



カメラとレンズは今主に以下を使っています。
カメラ:「FUJIFILM デジタルカメラ X-T4」
レンズ:「FUJIFILM 単焦点レンズXF56mm F1.2R APD」・「XF35mmF1.4 R」
カメラ:「SONY α7S III」
レンズ:「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III RXD」



FUJIFILMは写真撮影・SONYは映像撮影と使い分けすることが多いです。
色味や撮影環境によって他のカメラを使うこともあります。



画像編集ソフトは何を使ってるんですか?



画像編集ソフトはLightroomです。
こちらは、データ管理や一括現像処理機能が優れていて、Photoshopなど関連ソフトとの連携もスムーズなので利用しています。



他にも何か、仕事の相棒となる必須アイテムはありますか?



他にも、仕事ではMacbook Pro 15inch (2019)を愛用しています。
出張先で編集することも多いので、なるべく処理速度の速いものを使うようにしているんです。
M1チップ搭載のモデルがでたら乗り換えたいです。
副業カメラマンにおすすめの機材



副業カメラマンにおすすめするカメラはありますか?



今はFujifilm・SONYのミラーレス一眼を使っていますが、これまでは、Nikonコンデジ ▶ Canon一眼 ▶ Sonyフルサイズミラーレス一眼・Fujifilmミラーレス一眼と様々なメーカーやタイプのものを使ってきました。
目的にもよりますが、なんだかんだ軽くて持ち運びしやすいのが一番ですね。



やっぱ持ち運びの観点は大事ですよね。
私もSONYのミラーレス使ってます。趣味レベルですけど…



個人的にこれからカメラを本格的にはじめたい人におすすめするとしたら、次のどちらかですね。
「SONYミラーレス一眼α7Ⅲ」+「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III RXD」
フルサイズセンサーなので、ボケ味が大きく暗い所でのかなりきれいに撮れます。
「FUJIFILM ミラーレス一眼X-T3」+「FUJIFILM 単焦点標準レンズ XF35mmF1.4R」
コンパクトなんですけど、色味がとにかく美しくて自然光がきれいなシーンにおススメです。



余力があれば最新のXT4もおすすめです。



そうなんですね。欲しくなりますね…。
複業家SONOとしてのキャリアビジョン



これから先、複業家としてどんなキャリアビジョンを描いていますか?



20代で会社員とフリーランスの複業・都会と田舎の2拠点生活をする生き方を実現したのですが、働き方も暮らし方も1つに縛られないライフスタイルを多くの人に知ってもらいたいと思っています。
そのためにメディアに露出する回数を増やしたり、国内外に仕事の幅を広げていく予定です。



「何か一つを選択したら他のものを犠牲にしないといけない」この考え方ってもう古くて、ワークもライフも好きな物をいくつも選択できる時代なんですよね。
SONOさんの新しいライフスタイルが気になりますね。
パラレルなのは仕事だけじゃない。都会と田舎の多拠点生活。


撮影:SONO



新しいライフスタイルということで、東京・京都・香川の3拠点生活を始められたんですよね?



そうなんです。妻が香川で生活をしているんですが、香川での生活も始めています。
東京と京都がフォトグラファーとしての活動拠点なんですが、ずっと都会にいると心がすり減ってしまう気がするんですよね。
でも田舎は仕事の単価が低い。
なので、田舎の生活と都会での仕事の良い所取りをしたいと思ったんです。



しかも、ただの多拠点生活じゃないんですよね?



そうです。香川で築100年の古民家を買っちゃいました。妻と一緒にDIYでリノベーションしているんです。
コロナ禍が追い風になっていて、香川でリモートワークができるようになったので、基本は香川を軸にしながら、平日仕事が終わってからリノベーションの作業をしています。
香川の古民家は、近い将来、シェアハウスやゲストハウスの運営も検討しています。
時代の流れにのった働き方や暮らし方を取り入れて発信いているので、NHK・日経新聞・リクルートさんなど多くのメディアにも取り上げていただきありがたい限りです。
≫夫婦で運営している田舎移住YouTube



出来上がりではなくて、夫婦で田舎生活を創り上げる様子を発信する。
プロセスエコノミーで仕事を創るあたりもすごく学びになります。
最後に、これからカメラで副業したい方へメッセージ!


撮影:SONO



最後にメッセージをお願いします。



カメラを含め自分の好きなこと1本で食べていける人って正直多くはないと思うんです。
であれば、会社員などの本業を持ちつつ、副業として細く長く楽しむ道もぜひ選択肢にいれてもらいたいなぁと。
時代はドンドン変化しているので、自分だけの得意領域を持ったり、スキルの掛け算で、他の人には真似できないオリジナルの土俵や市場を開拓するのもおすすめです。
ご相談や質問があれば、お気軽にご相談ください。
SONO|クラシトシゴト



SONOさん、今回は本当にありがとうございました!
遊び、仕事、生活の全てをシームレスに繋ぐ生き方をされているSONOさん、これからも目が離せません。
今回の記事は、これで以上となります。
この記事が、副業/複業にチャレンジする方にとってお役に立てていれば幸いです。