- 今の仕事が合っているか分からない…
- 自分の適性や向いている仕事を客観的に知りたい…
- 適性検査の結果をどう活かせばいいのか分からない…
「この仕事、本当に自分に合っているのかな…」「もっと自分の強みを活かせる仕事があるのでは?」と悩んだことはありませんか?
多くの人が自分に合った仕事を見つけるのに苦労しています。実際、日本の労働者の約5割が「今の仕事は自分に合っていない」と感じているというデータもあります。
この記事では、キャリアコーチとして1,000人以上のキャリア支援をしてきた経験をもとに、自分に合った仕事を見つけるための適性検査7選と、その結果を活かした実践ステップについて詳しく解説します。
適切な適性検査と実践方法を知ることで、あなたの強みや価値観に合った仕事を見つける道筋が見えてきますよ。
この記事を読むと、自分の強みや性格に合った仕事を客観的に知ることができ、キャリア選択の迷いを大幅に減らすことができます。
なぜ適性検査が自分に合った仕事探しに役立つのか
自分に合った仕事を見つけるのが難しい理由として、「自分自身を客観的に評価することが難しい」という点があります。
私たちは自分のことを一番よく知っているようで、実は自分の強みや適性を正確に把握できていないことが多いのです。
例えば、「自分は人と話すのが得意だ」と思っていても、それが「営業職に向いている」のか「カウンセラーに向いている」のかは明確ではありません。



私自身も若い頃は「コミュニケーション能力がある」という漠然とした自己認識だけで営業職を選びましたが、実際は細かい数字を扱う分析的な仕事の方が向いていました。適性検査で自己理解を深めた後に、データ分析を含むマーケティング職に転向して初めて仕事の充実感を得られたんです。
適性検査が持つ3つの価値
適性検査を活用することで得られる主な価値は以下の3つです。
- 客観的な自己理解:科学的根拠に基づいた客観的な視点から自分の特性を知ることができる
- 潜在的な強みの発見:自分では気づいていなかった強みや適性を発見できる
- キャリア選択の幅を広げる:これまで考えたことのなかった職種や業界の選択肢に気づける
しかし、適性検査の結果はあくまでも「参考情報」の一つであり、それだけで進路を決めるものではありません。最終的には、検査結果と自分の興味・価値観・経験を総合的に判断して進路を決めることが大切です。
自分に合った仕事を見つける適性検査7選
数多くある適性検査の中から、特に「自分に合った仕事を見つける」目的に適した7つの適性検査を紹介します。それぞれ診断方法や特徴が異なるため、複数の検査を組み合わせることで、より多角的な自己理解につながります。
①ストレングスファインダー:才能と強みを徹底分析
ストレングスファインダーは、米国ギャラップ社が開発した「才能を知り、強みに変える」ためのアセスメントツールです。
- 診断内容:34の資質(才能)から自分の上位5つの資質を診断
- 所要時間:約35分(177問)
- 費用:2,000円前後(書籍購入で診断コード付属)
- 特徴:強みを活かす具体的なアドバイスが豊富で実用的
ストレングスファインダーの最大の特徴は、「欠点を克服する」のではなく「強みを伸ばす」ことに焦点を当てている点です。自分の強みを知ることで、それを最大限活かせる仕事を見つけやすくなります。
例えば、「収集心」が強みの人は情報を集めて整理するのが得意なので、リサーチャーやアナリスト、ジャーナリストなどの仕事が向いていると言えます。
②ミイダス適性診断:実務能力とパーソナリティを評価
株式会社ミイダスが提供する適性検査で、ビジネススキルとパーソナリティの両面から個人の特性を診断するツールです。
- 診断内容:コンピテンシー(行動特性)、基礎スキル、職務適性
- 所要時間:約45分
- 費用:無料(会員登録が必要)
- 特徴:実務能力とマッチする職種を具体的に提案
ミイダス適性診断の最大の強みは、ビジネスの現場で必要とされる能力を実践的に測定している点です。また、無料で利用できるにも関わらず、詳細なレポートが得られます。



私は転職を考えている相談者には必ずミイダス適性診断を受けることをおすすめしています。無料とは思えないほど詳細な診断結果が出るので、自分の市場価値を知る手がかりになります。特に「どの職種が自分に合っているか分からない」という方に効果的です。
③リクナビNEXTグッドポイント診断:短時間で強みを把握
リクルートが提供する適性検査で、短時間で自分の「強み」を診断できるツールです。
- 診断内容:仕事における18の強みから上位5つを診断
- 所要時間:約10分
- 費用:無料(リクナビNEXT会員登録が必要)
- 特徴:手軽さと分かりやすさが魅力
グッドポイント診断は短時間で手軽に受けられるのが特徴で、転職活動の初期段階で自分の強みを大まかに把握するのに適しています。
診断結果には「あなたの強み」だけでなく、「活かせる仕事」や「活かし方のヒント」なども表示されるので、実際のキャリア選択に活かしやすい内容になっています。
④キャリアインサイト:職業興味と関連する職業を診断
厚生労働省が提供する職業適性診断ツールで、自分の興味・関心と職業との関連性を診断します。
- 診断内容:職業興味6領域(RIASEC)と関連する職業の提案
- 所要時間:約15分
- 費用:無料
- 特徴:国が提供する信頼性の高い診断ツール
キャリアインサイトの特徴は、RIASECと呼ばれる職業興味の6つの領域(現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的)から自分の傾向を診断する点です。
この診断により、「どのような分野・領域の仕事に興味があるか」という観点から職業選択のヒントを得ることができます。さらに診断結果に基づいて、具体的な職業の候補も提案してくれます。
残りの適性検査と実践ステップについては、次の記事で詳しく解説します。
記事の後編はこちらからお読みいただけます。
この記事は「自分に合った仕事の見つけ方」適性検査7選と実践ステップ(前編)の続きです。前編では自分に合った仕事探しになぜ適性検査が役立つのかと、おすすめの適性検査4つを紹介しました。後編では残りの適性検査3つと、適性検査の結果を実際のキャリア選択に活かすための実践ステップをご紹介します。
おすすめの適性検査(続き)
前編で紹介した4つの適性検査に続き、残りの3つの適性検査を見ていきましょう。
⑤VRTキャリア:価値観を重視した適性診断
VRTキャリアは、個人の価値観(Values)に焦点を当てた適性診断ツールです。
- 診断内容:10の価値観から自分が大切にしている価値観を診断
- 所要時間:約20分
- 費用:3,300円(税込)
- 特徴:長期的な満足度を重視したキャリア選択をサポート
VRTキャリアの魅力は、「何を大切にするか」という価値観の観点からキャリアを考える点です。スキルや適性だけでなく、自分が重視する価値観に合った仕事を選ぶことで、長期的な仕事の満足度を高めることができます。
例えば「社会貢献」を重視する人は、利益追求型の企業よりも社会的課題の解決に取り組む組織の方が働きがいを感じやすいといった具合です。
⑥エニアグラム:性格タイプから適職を診断
エニアグラムは、9つの基本的な性格タイプを診断する心理テストです。キャリア選択にも活用できる深い自己理解が得られます。
- 診断内容:9つの性格タイプ分類と詳細な特徴解説
- 所要時間:約30分
- 費用:無料〜3,000円程度(サイトにより異なる)
- 特徴:深層心理まで踏み込んだ詳細な性格分析
エニアグラムの特徴は、単なる表面的な性格特性だけでなく、行動の動機や恐れなど、心の深層まで分析できる点です。自分の強みや弱みをより深く理解することで、適職選びの重要なヒントが得られます。



私はエニアグラムの「8番:挑戦者タイプ」と診断されました。リーダーシップを発揮し、変革を起こすことにエネルギーを感じるタイプで、マネージャーやコンサルタントに向いているとされています。実際に管理職に就いたときは、チームを引っ張ることに充実感を覚えました。自分の行動パターンや動機の根源を理解する上で非常に参考になる診断です。
⑦MBTI:16の性格タイプから適職を探る
MBTIは、ユングの心理学理論に基づいた16の性格タイプを診断する世界的に有名な性格診断ツールです。
- 診断内容:4つの指標から導き出される16の性格タイプ
- 所要時間:約20分
- 費用:無料〜4,000円程度(公式・非公式で異なる)
- 特徴:世界中で活用される信頼性の高い性格診断
MBTIでは、「内向型/外向型」「感覚型/直感型」「思考型/感情型」「判断型/知覚型」の4つの軸で性格を診断し、合計16種類の性格タイプに分類します。
それぞれのタイプには向いている職業があり、例えば「INTJ(建築家タイプ)」なら戦略立案やプロジェクト管理、「ESFJ(領事官タイプ)」ならヘルスケアや教育分野が適職とされています。
各適性検査の比較表
適性検査名 | 特徴 | 費用 | 所要時間 |
---|---|---|---|
ストレングスファインダー | 才能と強みに焦点 | 約2,000円 | 約35分 |
ミイダス適性診断 | 実務能力と職務適性 | 無料 | 約45分 |
グッドポイント診断 | 手軽さと分かりやすさ | 無料 | 約10分 |
キャリアインサイト | 職業興味と具体的職業 | 無料 | 約15分 |
VRTキャリア | 価値観ベースの診断 | 3,300円 | 約20分 |
エニアグラム | 深層心理まで踏み込む | 無料〜3,000円 | 約30分 |
MBTI | 16タイプの性格診断 | 無料〜4,000円 | 約20分 |
適性検査の結果を活かした実践ステップ
適性検査を受けて結果を得たら、次はその結果をどう活かすかが重要です。以下の5つのステップで、適性検査の結果を実際のキャリア選択に活かしていきましょう。
STEP1:複数の適性検査を組み合わせる
より多角的な自己理解を得るためには、異なる視点の適性検査を2〜3種類組み合わせることがおすすめです。
おすすめの組み合わせ例:
- 基本セット:ミイダス適性診断 + グッドポイント診断
- 深掘りセット:ストレングスファインダー + VRTキャリア
- 性格分析セット:MBTI + エニアグラム
例えば、ミイダス適性診断で「あなたの強みは論理的思考力と分析力です」という結果が出て、エニアグラムで「完璧主義者タイプ」と診断された場合、データ分析やプロジェクト管理など、緻密さと論理性が求められる職種が向いていることが分かります。



ひとつの検査だけだと「本当にそうかな?」と半信半疑になることもありますが、複数の検査で共通の傾向が出ると「確かにそうかも」と納得感が増します。私の場合は、3種類の検査で共通して「分析力」が強みとして出たことで、データ分析の仕事に自信を持って挑戦することができました。
STEP2:結果を整理・分析する
複数の適性検査を受けたら、次は結果を整理・分析します。以下の3つの視点でまとめると、自分の特性が見えやすくなります。
- 共通点を見つける:複数の検査で共通して出てきた特性や傾向
- 相違点を分析する:検査によって異なる結果が出た場合、その理由を考える
- 自分の実感と照らし合わせる:結果が自分の実感と合っているかチェック
整理・分析のためには、以下のようなワークシートを作成すると効果的です。
強み・才能 | (例)分析力、計画性、共感力、など |
弱み・課題 | (例)決断力不足、細部への不注意、など |
価値観・大切にしていること | (例)自由、創造性、安定、など |
向いている仕事の特徴 | (例)データを扱う、人を支援する、など |
避けた方がよい仕事の特徴 | (例)短期的な成果を求められる、など |
このようにまとめることで、自分の特性を体系的に理解し、キャリア選択に活かすことができます。
続きは後編その2で紹介していきます。
この記事は「自分に合った仕事の見つけ方」適性検査7選と実践ステップ(後編その1)の続きです。前回は7つの適性検査の紹介と、その結果を活かす実践ステップの途中までを解説しました。今回は残りのステップと成功事例、そしてまとめをご紹介します。
適性検査の結果を活かした実践ステップ(続き)
前回は「STEP1:複数の適性検査を組み合わせる」と「STEP2:結果を整理・分析する」までを解説しました。残りのステップを見ていきましょう。
STEP3:職業・仕事の候補を洗い出す
整理した結果をもとに、自分に合いそうな職業や仕事の候補を幅広く洗い出しましょう。この段階では現実的な制約は一旦脇に置いて、可能性を広げることが大切です。
以下の3つの情報源を使って職業候補を探すと効果的です。
- 適性検査の結果に含まれる職業提案:多くの適性検査では適職の例が示されています
- 厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」:500以上の職業情報を検索できます
- 興味のある業界・企業の求人情報:実際の求人から職種や必要なスキルを確認できます
職業・仕事の候補は、以下のような表にまとめるとよいでしょう。
職業・仕事の候補 | 自分の強みとの適合点 | 価値観との一致度 | 興味・関心レベル |
---|---|---|---|
データアナリスト | 分析力、論理的思考力 | ★★★★☆ | ★★★★★ |
プロジェクトマネージャー | 計画性、コミュニケーション力 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
※他の候補も同様に評価 |
STEP4:現実的な条件と照らし合わせる
職業・仕事の候補が出たら、次は現実的な条件と照らし合わせて実現可能性を検討します。以下の要素を考慮しましょう。
- 必要なスキル・資格:現在持っているか、習得可能か
- 経験・キャリアパス:未経験から入れるか、キャリアパスはどうなるか
- 市場性・需要:求人数や将来性はどうか
- 収入レベル:希望する収入と合っているか
- ワークライフバランス:希望するライフスタイルと両立できるか
この検討を通じて、理想と現実のギャップを認識し、そのギャップを埋めるための計画を立てることができます。



私がマーケティングアナリストに転職を考えたとき、「データ分析の実務経験が足りない」というギャップがありました。そこで、まずは副業でデータ分析の案件を受注し、スキルと実績を積んでから転職活動をスタートしました。理想の仕事に就くためには、このような「橋渡し」の期間が必要なことも多いです。
STEP5:情報収集と実践的な体験
最後のステップとして、候補となる職業・仕事についてより具体的な情報収集と実践的な体験を積みましょう。机上の空論ではなく、実際に体験してみることで、本当に自分に合っているかどうかが分かります。
情報収集と実践体験の方法:
- その職業の人にインタビューする(職業研究)
- 業界セミナーや勉強会に参加する
- 関連するオンライン講座や本で学ぶ
- 副業やプロジェクトで実際に経験してみる
- インターンシップや職場見学に参加する
これらの体験を通じて、職業のイメージと現実のギャップを埋め、より確実な判断ができるようになります。また、実践的な体験は転職活動時にもアピールポイントになります。
適性検査で仕事を見つけた成功事例
適性検査を活用して自分に合った仕事を見つけた実際の事例を紹介します。これらの事例から、適性検査がどのようにキャリア選択に役立つのかを具体的にイメージしてみてください。
事例1:営業職から人事コンサルタントへの転身
Aさん(30代男性)のケース
背景:IT企業の営業職として5年間勤務。数字を追うことに疲れ、もっと人の成長に関わる仕事がしたいと考えていた。
適性検査結果:
- ストレングスファインダー:「個別化」「共感性」「調和性」「最上志向」「成長促進」
- VRTキャリア:「貢献」「成長」の価値観が高い
- エニアグラム:「2番:援助者タイプ」
気づきと行動:自分は人の成長や支援に喜びを感じるタイプだと気づき、人事・人材開発の分野に興味を持つ。人事の知識を学ぶため、人材育成の資格を取得し、社内で研修講師のボランティアを始める。
結果:1年後、人事コンサルティング会社に転職。企業の人材育成プログラムの開発・運営を担当し、「人の成長に貢献できる」という価値観と「個別化」「共感性」などの強みを活かせる仕事に就くことができた。
事例2:一般事務からデータアナリストへのキャリアチェンジ
Bさん(20代女性)のケース
背景:メーカーの事務職として3年勤務。ルーティンワークに物足りなさを感じており、もっと専門性の高い仕事に挑戦したいと考えていた。
適性検査結果:
- ミイダス適性診断:「論理的思考力」「数値分析力」が高く評価
- MBTI:「ISTJ(管理者タイプ)」
- キャリアインサイト:「研究的(Investigative)」「慣習的(Conventional)」の興味が高い
気づきと行動:数字やデータを扱う仕事が自分に向いていると気づき、データ分析のオンライン講座を受講。休日を使って統計やPythonを学び、社内の在庫データを分析して業務改善の提案を行う。
結果:半年後、同じ会社の中でデータ分析チームへの異動を希望し実現。さらに1年後、より専門的なデータアナリストのポジションに転職。自分の強みを活かせる仕事に就くことで、仕事への満足度が大幅に向上した。
まとめ:自分に合った仕事の見つけ方
この記事では、自分に合った仕事を見つけるための適性検査と実践ステップについて解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。
- 複数の適性検査を組み合わせる:違う角度からの自己理解が大切
- 結果を鵜呑みにしない:適性検査は参考情報の一つ
- 強み・価値観・興味の重なりを探す:この3つが重なる領域が理想
- 実践的な体験を積む:実際に経験してみることが最終判断の決め手
- 長期的な視点を持つ:理想の仕事への移行は段階的に計画する
自分に合った仕事を見つけるプロセスは、一朝一夕で完了するものではありません。「自己理解→可能性の探索→実践と検証→調整」のサイクルを繰り返しながら、少しずつ自分に合った仕事に近づいていくものです。
適性検査は単なる出発点に過ぎません。最終的には自分自身の体験と内省によって、本当に自分に合った仕事を見つけることができるでしょう。



「何をすべきか分からない」という状態が最もつらいものです。適性検査によって可能性の方向性が見えてくると、心理的にもずいぶん楽になります。まずは気軽な気持ちで適性検査を受けてみることをおすすめします。自分の新たな一面を発見できるかもしれませんよ。
なお、適性検査に加えて、キャリアカウンセラーや転職エージェントなどの専門家のサポートを受けることも効果的です。多角的な視点からのアドバイスを得ることで、より確実なキャリア選択ができるでしょう。
自分に合った仕事を見つけるためのこの一歩が、あなたの充実したキャリアへの第一歩となることを願っています。
今回はこれにて終わりです。