- 「自分には強みがない」と感じて自信が持てない…
- 転職や昇進で自己PRをする際に強みが言えない…
- 自分の強みを客観的に知るための方法が知りたい…
「自分の強みって何だろう?」「自分には特に強みがないんじゃないか…」と悩んだことはありませんか?
特に転職活動や昇進面接、キャリア形成において「自分の強み」を明確に説明できることは非常に重要です。しかし、多くの社会人が自分の強みを客観的に把握することに苦労しているのが現実です。
この記事では、キャリアコーチとして1,000人以上のビジネスパーソンのキャリア支援をしてきた経験をもとに、自分の強みを効果的に発見するための5つの方法と実践ステップを詳しく解説します。
自分の強みを知ることで、仕事の満足度が高まり、キャリアの選択肢も広がります。この記事で紹介する方法を実践すれば、あなたも必ず自分の本当の強みに気づくことができますよ。
この記事を読むことで、自分の強みを客観的に発見する具体的な方法が分かり、仕事やキャリアで自分の強みを最大限に活かせるようになります。
なぜ自分の強みが分からないのか?
まず、なぜ多くの人が自分の強みを見つけるのに苦労するのかを理解しましょう。主な理由として、以下の3つが挙げられます。
①強みは無意識化している
自分の強みは長年かけて自然と身についたものであるため、無意識化していることが多いのです。
例えば、「人の気持ちを察するのが得意」という人は、それが特別なスキルだと気づかず、「誰でもできること」だと思っていることがよくあります。

私自身も長い間「情報を整理して分かりやすく説明する能力」が自分の強みだと気づきませんでした。友人から「あなたの説明はいつも分かりやすい」と言われて初めて、それが誰にでもできることではないと気づいたんです。
②日本の文化的背景(謙遜の美徳)
日本では「謙虚さ」や「控えめであること」が美徳とされています。そのため、自分の長所や強みを積極的に認識したり、表現したりすることに抵抗を感じている人が多いのです。
「自分の強みを語ると自慢しているように聞こえるのでは?」という恐れから、強みを過小評価してしまうケースも少なくありません。
③他者との比較による見落とし
自分よりも優れた人と比較することで、自分の強みに気づけなくなっていることも珍しくありません。
例えば、「プレゼンが上手い」という強みを持っていても、さらに優れたプレゼンターと自分を比較してしまうと、「自分のプレゼンスキルはたいしたことない」と思い込んでしまいます。
実際には、あなたが「当たり前」と思っていることや「誰でもできる」と思っていることこそ、あなただけの特別な強みである可能性が高いのです。
自分の強みを知ることの重要性
では、なぜ自分の強みを知ることがそれほど重要なのでしょうか?具体的には以下の4つのメリットがあります。
- 仕事の成果と満足度が向上する
- 効果的な自己PRができるようになる
- 適切なキャリア選択ができるようになる
- 自信と前向きな姿勢を持てるようになる
①仕事の成果と満足度が向上する
自分の強みを活かせる仕事に取り組むと、成果が出やすく、仕事の満足度も高まります。
ギャラップ社の研究によると、「強みを毎日活かせている従業員」は、そうでない従業員と比較して6倍の確率で仕事に熱中し、3倍の確率で高い生活の質を報告しているとのことです。
強みを活かせる仕事は楽しく感じられ、自然とモチベーションも高まります。
②効果的な自己PRができるようになる
転職活動や昇進面接では、自分の強みを具体的に伝えることが求められます。
自分の強みを客観的に理解していれば、説得力のある自己PRができ、面接官に良い印象を与えることができます。
「私の強みは〇〇です。過去に△△という状況で発揮し、□□という成果を上げました」と具体的なエピソードと共に語れることが重要です。
③適切なキャリア選択ができるようになる
自分の強みを知ることで、その強みを活かせる職種や業界を選べるようになります。
例えば、「細部への配慮が強み」なら品質管理やエディター職、「創造力が強み」ならクリエイティブ職、「人を動かす力が強み」ならマネジメントやコンサルティング職など、強みに合った仕事を選ぶことで成功確率が高まります。
④自信と前向きな姿勢を持てるようになる
自分の強みを認識することで、「自分には価値がある」という自己肯定感が高まります。
自信を持つことで、新しい挑戦に前向きになり、失敗を恐れずチャレンジできるようになるのです。



私がコーチングしてきた多くのクライアントが、自分の強みを発見した後に「自分の可能性を信じられるようになった」と話しています。強みを知ることは自己理解の第一歩であり、前向きなキャリア形成の土台になるのです。
自分の強みを見つける5つの方法
ではいよいよ、自分の強みを効果的に見つける方法を紹介します。以下の5つの方法を組み合わせることで、より確実に自分の強みを把握することができます。
- 強み発見のための適性検査を活用する
- 周囲の人にフィードバックを求める
- 過去の成功体験を分析する
- 「フロー状態」になる活動を見つける(第2部で解説)
- 「強み」と「好き」の交差点を探る(第2部で解説)
①強み発見のための適性検査を活用する
強みを客観的に把握するためには、科学的に設計された適性検査やストレングスファインダーなどのツールを活用するのが効果的です。
ここでは特におすすめの3つの診断ツールを紹介します。
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)
米国ギャラップ社開発の強み診断ツールで、34の資質(才能)から自分の上位5つの強みを特定できます。
- 特徴:177の質問に回答することで、34の資質のうち自分の持つ上位5つを診断
- 費用:約2,000円(書籍購入で診断コード付属)
- 公式サイト:ストレングスファインダー公式サイト
34の資質は「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」の4つのドメインに分類されています。
例えば、「収集心」「学習欲」「分析思考」などの資質が高い人は、情報収集や分析が得意な傾向があります。
ミイダス適性診断
株式会社ミイダスが提供する無料の適性検査で、ビジネススキルとパーソナリティの両面から強みを診断できます。
- 特徴:実務能力とマッチする職種を具体的に提案
- 費用:無料(会員登録が必要)
- 公式サイト:ミイダス公式サイト



私が転職を考えているクライアントに必ずおすすめするのがミイダス適性診断です。無料とは思えないほど詳細な診断結果が得られ、特に「どの職種・業界が自分に合っているか」という視点で強みを知るのに役立ちます。
VIA性格強み検査
ポジティブ心理学に基づいた24の強みを測定する無料の検査です。
- 特徴:人間の普遍的な強みに焦点を当て、人格的な強みを測定
- 費用:無料版あり(詳細レポートは有料)
- 公式サイト:VIA公式サイト
「好奇心」「創造性」「公平さ」「リーダーシップ」など、24の強みから自分の特徴を知ることができます。
特に職場だけでなく、人生全般における強みを知りたい方におすすめです。
②周囲の人にフィードバックを求める
自分では気づかない強みを発見するための最も効果的な方法の一つが、周囲の人からのフィードバックです。
信頼できる同僚、上司、友人、家族などに以下のような質問をしてみましょう。
- 「あなたから見て、私のどんなところが強みだと思いますか?」
- 「私がチームに貢献できているのはどんな部分だと思いますか?」
- 「私にどんな仕事を任せたいと思いますか?その理由は?」
- 「私のどんなところを頼りにしていますか?」
フィードバックを求める際のポイントは以下の3つです。
1. 複数の人に聞く
一人の意見だけでなく、様々な立場や関係性の人から意見を集めることで、より客観的な強みを把握できます。
上司、同僚、部下、プライベートの友人など、異なる視点からのフィードバックが有効です。
2. 具体的なエピソードを求める
「あなたの〇〇というところが素晴らしい」といった抽象的な評価だけでなく、「〇〇という場面で△△したのが印象的だった」など具体的なエピソードを聞くことが重要です。
具体例があることで、自分の強みがどのような状況で発揮されるのかを理解できます。
3. オープンな姿勢で聞く
フィードバックに対して防衛的にならず、オープンな姿勢で聞くことが大切です。
「そんなの私の強みじゃない」と否定せず、まずは受け止めて考えてみましょう。思いもよらない強みが見つかるかもしれません。
③過去の成功体験を分析する
あなたの過去の成功体験には、あなたの強みが発揮された証拠が詰まっています。
学生時代から現在までのキャリアを振り返り、特に「うまくいった経験」「評価された経験」「達成感を感じた経験」を分析してみましょう。
以下のワークを行うと効果的です。
成功体験の棚卸しワーク
- 過去10年間で特に成功したと感じる経験を5つ書き出す
- 各経験について以下の質問に答える:
- その成功に最も貢献したのはどんな能力や特性だったか?
- どんな行動が特に効果的だったか?
- その時、どんなことに喜びを感じたか?
- 5つの経験から共通点を探す
例えば、「プロジェクトAでチームをまとめて目標達成した」「社内イベントBを成功させた」「困難な顧客Cとの関係を改善した」という成功体験があれば、共通点として「人をまとめる力」「調整力」といった強みが見えてくるかもしれません。
自分の強みを見つける方法(続き)
前編で紹介した3つの方法に続き、残りの2つの方法を見ていきましょう。
④「フロー状態」になる活動を見つける
心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー理論」によると、人は自分の強みや才能を活かしている時に「フロー状態」になりやすいと言われています。
フロー状態とは、活動に完全に没頭して時間の感覚を忘れるほど集中している状態のことです。
つまり、あなたが「時間を忘れて集中できる活動」の中に、あなたの強みが隠れている可能性が高いのです。
フロー状態を見つけるための質問
以下の質問に答えてみましょう。
- 仕事や日常生活の中で、どんな活動をしている時に時間があっという間に過ぎると感じますか?
- 疲れていても、やり始めると元気が出てくる活動は何ですか?
- 「もっとやりたい」と思える活動は何ですか?
- やっている最中に「楽しい」と感じる業務や活動は何ですか?
例えば、「データを分析してグラフを作る時」「チームメンバーの相談に乗っている時」「新しいアイデアを考えている時」など、具体的な活動を思い浮かべてください。



私の場合は「複雑な情報を整理して体系化する時」「人に何かを教えたり説明したりする時」にフロー状態になることに気づきました。この気づきが、現在のキャリアコーチという仕事につながったんです。あなたも日常の中でフロー状態になる瞬間を意識的に観察してみてください。
⑤「強み」と「好き」の交差点を探る
真の強みは、「できること(能力)」と「好きなこと(情熱)」が重なる領域にあります。
能力があっても情熱がなければ長続きせず、情熱があっても能力がなければ成果を出すのが難しくなります。
そこで、以下のマトリックスを作成して、自分の強みの交差点を探してみましょう。
「できること×好きなこと」マトリックス
好き | 嫌い/普通 | |
---|---|---|
得意/できる | 真の強み (伸ばすべき領域) | 義務的な強み (活用すべき領域) |
苦手/できない | 潜在的な強み (学ぶべき領域) | 弱み (避けるべき領域) |
この表に当てはめて、あなたの業務や活動を整理してみましょう。
- 「得意かつ好き」なこと:これがあなたの真の強みです。この領域をさらに伸ばし、仕事でも積極的に活かしていきましょう。
- 「得意だが好きではない」こと:これは技術的には強みですが、モチベーションが続かない可能性があります。短期的には活用しながら、徐々に「好き」な領域へシフトしていくと良いでしょう。
- 「好きだが苦手」なこと:情熱があるので学習意欲も高く、努力次第で将来の強みになる可能性があります。継続的に学び、スキルを磨いていきましょう。
例えば、「データ分析」が得意で好きなら、それは真の強みです。一方、「プレゼンテーション」が得意だけど好きでないなら、それは義務的な強みになります。
自分の強みを見つけるための実践ステップ
ここまでご紹介した5つの方法を効果的に組み合わせて、あなたの強みを見つけるための実践ステップを紹介します。
STEP1:複数の方法で情報を収集する(2週間)
まずは、複数の視点から自分の強みに関する情報を集めましょう。すべての方法を一度に実践する必要はありません。以下のように段階的に進めるのが効果的です。
- 適性検査を受ける(1~2日)
- ストレングスファインダーやミイダス適性診断などを受けて、客観的な視点を得る
- 周囲の人にフィードバックを求める(3~7日)
- 上司、同僚、友人など5人程度に質問を投げかける
- メールやチャットでも良いが、できれば対面で話を聞く
- 過去の成功体験を分析する(1日)
- これまでの成功体験をリストアップし、共通点を探る
- フロー状態になる活動を記録する(1週間)
- 1週間、毎日の業務や活動の中で「時間を忘れるほど集中できたこと」をメモする
- 「できること×好きなこと」マトリックスを作成(1日)
- 自分のさまざまな活動を4つの象限に分類する
実践のポイント:この段階では、判断せずに情報を集めることに集中しましょう。「これは強みに見えない」と最初から除外せず、すべての情報を集めることが大切です。
STEP2:集めた情報を整理・分析する(1日)
次に、集めた情報を整理して、そこから強みのパターンを見つけていきます。
- 共通キーワードの抽出
- 適性検査の結果、周囲からのフィードバック、成功体験の分析など、すべての情報から共通するキーワードを抽出する
- 例:「分析力」「コミュニケーション能力」「創造性」など
- 強みカテゴリの作成
- 似た意味を持つキーワードをグループ化して、カテゴリを作る
- 例:「論理的思考」「問題解決能力」「分析力」→「分析的思考力」というカテゴリにまとめる
- エビデンスの整理
- 各強みについて、それを裏付ける具体的なエピソードや事例をまとめる
強み整理シートの例
強みのカテゴリ | 情報源 | 具体的なエピソード |
---|---|---|
分析的思考力 | ・ストレングスファインダー「分析思考」 ・上司からのフィードバック ・フロー状態の記録 | ・複雑なデータから重要な傾向を見つけた ・問題の本質を的確に指摘できた |
共感力 | ・VIA検査「思いやり」 ・友人からのフィードバック ・成功体験 | ・チーム内の対立を調整できた ・顧客の隠れたニーズを汲み取った |
実践のポイント:複数の情報源から裏付けられる強みほど信頼性が高いです。少なくとも2つ以上の情報源で言及されている強みに注目しましょう。
STEP3:トップ5の強みを決定する(1日)
整理した情報をもとに、あなたの「コア・ストレングス(核となる強み)」となる可能性を見直してみましょう
第2部の続きから始めます。整理した情報をもとに、あなたの「コア・ストレングス(核となる強み)」となるトップ5を選定していきましょう。
- 強みの候補リストを作成
- STEP2で整理した強みカテゴリをすべてリストアップする
- 各強みを評価する
- 以下の3つの基準で各強みを5点満点で評価する
- 証拠の量:複数の情報源からどれだけ裏付けられているか
- 使用頻度:日常的にどれだけ使っているか
- エネルギー:その強みを使うとどれだけエネルギーが湧くか
- 以下の3つの基準で各強みを5点満点で評価する
- トップ5を選定
- 総合評価の高い5つの強みを「あなたのコア・ストレングス」として選定する
強み評価シートの例
強み | 証拠の量 (1-5) | 使用頻度 (1-5) | エネルギー (1-5) | 総合点 (15点満点) |
---|---|---|---|---|
分析的思考力 | 5 | 4 | 4 | 13 |
共感力 | 4 | 5 | 5 | 14 |
計画力 | 3 | 4 | 2 | 9 |
創造性 | 4 | 3 | 5 | 12 |
学習意欲 | 5 | 5 | 4 | 14 |
この例では、「共感力」「学習意欲」「分析的思考力」「創造性」「計画力」の順に強みが評価されています。
実践のポイント:強みは「得意なこと」だけでなく、「エネルギーを感じること」という視点も大切です。使うと疲れてしまう能力よりも、使うとワクワクする能力の方が本質的な強みと言えます。
STEP4:強みの定義と活用シーンを明確化する(1日)
選定したトップ5の強みについて、より具体的に定義し、活用できるシーンを考えていきましょう。
- 各強みの定義を作る
- あなた自身の言葉で、各強みがどのようなものかを定義する
- 抽象的な表現ではなく、具体的な行動や能力として表現する
- 活用シーンを具体化する
- その強みが最も効果を発揮する状況や場面を3つ以上考える
- 現在の仕事やプライベートでどのように活かせるかを具体的に考える
- 強みカードを作成する
- 5つの強みそれぞれについて、以下の情報をまとめた「強みカード」を作る
- 強みの名前
- あなた自身の定義
- 具体的な活用シーン
- 過去の成功事例
- 5つの強みそれぞれについて、以下の情報をまとめた「強みカード」を作る
強みカードの例
【強み】共感力
私の定義:相手の立場に立って気持ちを理解し、言葉にしていない感情や考えを察する能力。対話の中で安心感を与え、信頼関係を築くことができる。
活用シーン:
- チーム内の対立を調整する場面
- 顧客のニーズをヒアリングする場面
- 新しいチームメンバーのサポート
成功事例:部署間の意見対立があった際に、双方の立場を理解し、互いの本音を引き出すことで合意点を見出し、プロジェクトを前進させた。
強みを効果的に活かす3つの方法
自分の強みを見つけたら、次はそれを効果的に活かしていくことが大切です。以下の3つの方法を実践しましょう。
①現在の仕事内容を強みに合わせて調整する
まずは、現在の仕事の中で強みを活かせる部分を増やす「ジョブ・クラフティング」を実践しましょう。完全に仕事を変えなくても、今の仕事を少しずつ調整することで強みを活かせる場面を増やすことができます。
例えば、以下のような調整が考えられます。
- タスクの交換:チーム内で得意分野に合わせてタスクを交換する
- プロジェクトへの参加:自分の強みを活かせるプロジェクトに自ら手を挙げる
- 業務の進め方の工夫:同じ業務でも、強みを活かせるやり方に変更する
- 新しい役割の提案:強みを活かせる新しい役割を上司に提案する
例えば「分析力」が強みなら、チーム内のデータ分析担当を買って出たり、「共感力」が強みなら顧客との対応窓口を増やしたりすることができます。



私がクライアントに提案している具体的なアプローチは、「まず週に1時間だけ強みを活かせる仕事の時間を確保する」ことです。小さな一歩からでも、意識的に強みを活かす時間を作ることで、徐々にその割合を増やしていくことができます。
②強みを活かしたキャリアプランを立てる
中長期的な視点では、自分の強みをより活かせるキャリアパスを設計することが重要です。
以下のステップでキャリアプランを考えてみましょう。
- 理想のキャリアビジョンを描く
- 3年後、5年後に「自分の強みを最大限に活かしている状態」はどのようなものか具体的にイメージする
- 強みを活かせる職種・業界を調査する
- 自分の強みが特に求められる職種や業界を調べる
- その分野で活躍している人にインタビューする
- 必要なスキルやステップを明確にする
- 理想のキャリアに必要なスキルやステップを洗い出す
- 現状との差分を埋めるための具体的な行動計画を立てる
例えば、「創造力」と「コミュニケーション力」が強みなら、企画職やコンサルティングなどが適職かもしれません。「分析力」と「細部への気配り」が強みなら、品質管理やデータ分析職などが向いているでしょう。
③強みをアピールして機会を広げる
自分の強みを知ることは、効果的な自己アピールにもつながります。面接や昇進の機会、新しいプロジェクトの立ち上げなど、様々な場面で自分の強みを適切にアピールしましょう。
強みをアピールする際のポイントは以下の通りです。
- STAR形式で具体的に伝える
- Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の流れで説明
- 数字や事実で裏付ける
- 「〇〇の強みを活かして△△の成果を出した」と具体的な実績を示す
- 相手のニーズに合わせて伝える
- 相手(企業・上司など)が求めていることに対して、自分の強みがどう貢献できるかを伝える
例えば、転職面接で「私の強みは分析力です。前職では複雑なデータを分析して、年間500万円のコスト削減につながる改善点を見つけました」というように具体的に伝えるのが効果的です。
強みに関するよくある質問
最後に、強みに関してよく寄せられる質問に回答します。
Q1: 弱みも改善すべきですか?
A: 全ての弱みを改善する必要はありません。まずは強みを伸ばすことに注力し、弱みについては以下の3つのアプローチから選択することをおすすめします。
- 最低限のレベルまで改善する:仕事に支障が出るレベルの弱みは、最低限の水準まで改善する
- 強みで補う:自分の強みを活かして弱みをカバーする方法を考える
- チームで補完する:自分の弱みが他者の強みである場合、協力して補完し合う
研究によれば、弱みを平均レベルに引き上げるよりも、強みをさらに伸ばす方が全体的なパフォーマンスの向上に効果的だとされています。
Q2: 強みはどのくらいの頻度で見直すべきですか?
A: 1年に1回程度、または大きなキャリアの転機を迎えるタイミングで見直すことをおすすめします。経験を積むことで強みは変化し、深まっていくものです。
特に以下のようなタイミングでは見直しが効果的です。
- 転職を考えているとき
- 昇進や異動があったとき
- 大きなプロジェクトが終了したとき
- 新しい技術やスキルを習得したとき
Q3: 強みが仕事と合っていない場合はどうすべき?
A: 強みと現在の仕事が合っていないと感じる場合は、以下のステップを検討しましょう。
- まずはジョブ・クラフティングを試みる
- 現在の仕事内容を少しずつ調整して、強みを活かせる部分を増やす
- 社内で異動や新しい役割を検討する
- 同じ会社内で強みを活かせる別の部署や役割がないか探る
- 副業やプライベートで強みを活かす
- 本業では難しい場合、副業やボランティア、趣味の活動で強みを発揮する場を作る
- 長期的な転職計画を立てる
- どうしても現職で強みを活かせない場合は、強みを活かせる仕事への転職を計画的に進める



一度にすべてを変える必要はありません。まずは小さな変化から始めて、徐々に強みを活かせる環境に近づいていくことが大切です。私のクライアントの多くも、一気に転職するのではなく、まずは現職での調整から始めて、徐々に理想の状態に近づいていきました。
まとめ:自分の強みを見つけて活かそう
この3部構成の記事では、「自分の強みが分からない」という悩みを解決するための方法を詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめておきましょう。
- 強みは無意識化していることが多いため、客観的な視点で発見する必要がある
- 複数の方法を組み合わせることで、より確実に自分の強みを見つけられる
- 強みは「得意なこと」と「好きなこと」の交差点にあることが多い
- 強みを活かすことで仕事の満足度と成果が向上する
- すぐに仕事を変えなくても、少しずつ強みを活かす時間を増やすことができる
あなたの強みを見つけ、活かすことは、より充実したキャリアと、ワクワクする毎日への第一歩です。無理に一気に変化を起こそうとするのではなく、小さな一歩から始めて、徐々に強みを活かせる時間や機会を増やしていきましょう。
「自分には特に強みがない」と思っていた人も、必ず自分だけの強みを持っています。この記事で紹介した方法を実践して、あなただけの特別な強みを見つけ、キャリアに活かしてみてください。
最後に、強み発見のプロセスを楽しんでください。自分自身を深く知ることは、単にキャリアのためだけでなく、人生をより豊かにする貴重な旅です。
今回はこれにて終わりです。