管理職になってから、毎日が重い。プレイヤーに戻りたいと考えることがある。そう感じるのは、珍しいことではありません。
ただ、「降りたい」の中身は人によって違います。理由を分けずに動くと、役職を外れても同じ悩みが残ることがあります。最初にするのは、何がつらいのかを切り分けることです。
「降りたい」理由を4つに分ける
| 理由 | 具体的な状態の例 | 役職を降りずに変えられる可能性 |
|---|---|---|
| 業務量 | 自分の担当業務とマネジメントを両方抱えている | 業務の再配分で軽くなる場合がある |
| 権限 | 責任はあるのに、人員や予算を決められない | 権限の範囲を上司と確認・調整できる場合がある |
| 人 | 特定のメンバーや上司との関係がつらい | 体制変更や相談先の確保で変わる場合がある |
| 適性 | 人を動かす仕事より、自分で手を動かす仕事に手応えを感じる | 役割そのものを変えないと解消しにくい |
当てはまるものに印をつけ、一番重いものを1つ選びます。業務量や権限が中心なら、降りる前に調整の余地があります。適性が中心なら、役割を変える選択肢を本気で検討する価値があります。
「適性が合わない」と感じる理由を確かめたいときは、「仕事向いてない」が分かる5つのサインも参考になります。
選択肢を比べる
| 選択肢 | 向いている状態 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 降格・役職の返上 | 今の会社と仕事は続けたい | 社内に制度や前例があるか。給与や評価がどう変わるか |
| 次の任期で役職を辞退 | 任期や改選の区切りが近い | 任期の仕組みと、意思を伝える時期 |
| 専門職コースへの移行 | 専門性を伸ばして評価されたい | 専門職の制度があるか。処遇はどうか |
| 異動 | 部署や人間関係が主な原因 | 異動希望の出し方と時期 |
| 転職 | 会社の方針や制度上、上の選択肢がない | 次の職場で求められる役割は何か |
降格や役職変更の扱いは、会社の就業規則や人事制度によって異なります。給与や手当の変化も含め、規程を確認したうえで人事や上司に相談してください。
役職を降りる以外の選択肢も含めて比べるなら、次の一手ナビで整理できます。
相談の前に用意したいメモ
上司に話す前に、次の3点をメモにまとめておきます。
- 困っていることを、具体的な場面で2〜3つ。
- 変わればよいこと(業務量を減らしたい、権限を明確にしたい、役割を変えたい、など)。
- 自分が望む選択肢と、受け入れられる代わりの案。
感情だけでなく事実を添えると、上司も対応を考えやすくなります。
上司への切り出し方
いきなり「降りたい」と伝えるより、困っていることと、変えたいことを分けて話すと相談になりやすくなります。
今の役割について、相談させてください。○○の業務とマネジメントを両立できておらず、チームにも影響が出ていると感じています。役割の見直しも含めて、どんな選択肢があるか一緒に考えていただけませんか。
役職を降りること以外にも、調整の余地はあります。たとえば次のような案です。
いきなり役職を外れるのではなく、まずはメンバー2人分の評価面談を○○さんに分担してもらう形で、半年ほど様子を見られないでしょうか。
業務の一部を分担する、会議の数を減らす、期間を決めて試すなど、「降りる」と「このまま」の間の案を一つ用意しておくと、話が前に進みやすくなります。
最初の面談で結論を出す必要はありません。事実と困りごとを共有し、次に何を確認するかを決めれば十分です。
心身の不調が続いている場合は、役割の整理より先に、産業医や医療機関などへの相談を優先してください。
今日の一手:4つの理由のうち一番重いものを1つ選び、それを解消できそうな選択肢を表から2つ書き出す。









